嘘【御幸一也】

嘘36（過去） ページ39

貴方side

誰もいない病室に2人きり。
不安で押しつぶされそうだった。






洋一は最後まで私を守ってくれた。






あの後、高坂に洋一は殴られ続けていた。








けど、野球部の仲間が
洋一の様子がおかしくてついてきていたみたいで、警察を呼んでくれていた。









なんとかギリギリ助かったって感じだ。
もう少し遅かったら危なかった。









倉持「A……」

貴「洋一！！」







私は涙が止まらなくて…
必死で抱きしめていた。





倉持「……いてーよ…馬鹿」








それでも頭を撫でてくれている
洋一が大好きで、
”守ってくれてありがとう”と伝えた。









＊＊＊



それから数日入院して
学校に久しぶりにきた洋一。







何故か急に空き教室に呼び出された。









倉持「A話がある」

貴「何？」






倉持「お前…は…無事だったか……
俺、途中意識なくなって
あの後どうなったか覚えてねーんだ
あいつらに何かされてねーか？」









何か……









貴「されてないよ…」









しばらく沈黙が続く。









倉持「………嘘つくんじゃねーよ」









そう呟き洋一は出て行ってしまった。









思えばこの日からだった。
私と洋一の関係が変わってしまったのは。

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