【黒子のバスケ】元明洸中の女の子はキセキの世代と合宿をしました【花宮真・黛千尋】

進めない ページ7

貴方side

自覚したのはいつだっただろうか
きっとあの日だ。


あの日真に手を差し伸べられてから、
私の恋は始まっていた。

いや、もっと前からか…



けれど真がいつも見つめているのは昔の私で、その人に敵うはずはない。


どんなに真のそばにいたって、
どんなに真の言う通りにラフプレーしたって、どんなに微笑みかけたって

真は私のことを見てくれない




たしかにいつもそばにいてくれる

優しい言葉もかけてくれるし、
何より私を仲間として受け入れてくれた。




けど、分かるんだ。
一緒にいても、どこか遠くを見ているようで、
今の私を見てくれていないんだって。




”前のお前なら…”

”元に戻ってきた、あと少しだ”

”お前はマネージャーじゃなくて選手だろ”



そう言われるたびに心が苦しくて、
寂しくなる。



『またあの笑顔見てーな』

貴「っ！」



”私はもうあの時の私に戻れないよ”




そう言いたくても、
言ったら真はどうなるだろう。


私のところから離れて行ってしまう…
そんな気がして

私は…昔の自分になろうと
今も演じているんだ。



昔みたいに素直に伝えることなんて
できなくなった……


だから天然キャラを偽って、
好きだと…
「真のことが大好き」だと
伝えている。



いつかこの思いを
本気だと気づいてくれる、
今の私も好きだと言ってくれる日を
待つだけの私は



全然前へ進めずにいる

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