We'll be alright!! (ページ19)

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Wonwoo ページ19

それは宝石みたいに輝いて見えた。
「お魚天国からの脱出。他のメンバーには内緒だけど、ほら」
ヒョンは部屋のカメラにビニール袋の中身を映す。
「PDニムがウォヌにご飯をくれました。ズルじゃありませんよ？ちゃんと正式にクリーンな方法で頂きました」
小声でそう言ってカメラに向かって笑う。
「ねぇヒョン、どうやって貰ったの？本当に食べていいの？」
「それは内緒。大事に食べるんだよ？スングァニが羨ましがるから絶対バレるな？」
「うんっ。ありがとうヒョン～」
あまりの嬉しさにヒョンをハグすると、ヒョンは嬉しそうに目を細めた。

ヒョンが事務所に入ったのは俺達がチームとして殆ど出来上がってからだった。日本から来た最年長の練習生と聞いていたから会うまで緊張していたけど、会ってみれば日本と韓国のハーフで韓国語はほぼ完璧。ヒョン独特の緩い雰囲気もあってメンバーとは割とすぐ打ち解けた。
それでも後から入って来たからとヒョンは長い間俺たちに対して敬語を使っていた。
「ヒョン、今日よかったら一緒にご飯食べませんか？」
ある日スンチョリヒョンがAヒョンにそう声を掛けた。その頃Aヒョンは皆からの遅れを取り戻すように毎晩深夜練習をしていて、殆ど一緒に夕飯を食べることがなかった。
「いいですね。皆でですか？」
「ああ、今ここにいるメンバーで」
「……皆で食べましょう」
俺はその場にいて2人が話す所を見ていたけど、スンチョリヒョンが難しい顔をしていたのをよく覚えている。
当時の俺達には確執こそなかったけど大所帯が故会話しないメンバーがいる人もいた。それを取りまとめるスンチョリヒョンや当時いた年長のドユニヒョンはかなり苦労をしていたようだ。
「俺が全部奢るから全員で食べましょう」
「全部って…、でもヒョン」
「俺を入れて食べるなら全員でなきゃ嫌です。誰かが食べて誰かが食べないなんて良くないでしょう？嫌なら俺はいらない」
ヒョンは笑顔だったけど有無を言わせぬ力があった。
スンチョリヒョンは暫く考えてからメンバーを集めに向かった。ヒョンを見送りながらAヒョンは大きく溜息を吐いた。
「Aヒョン」
優しい声でドユニヒョンがヒョンに声を掛けた。Aヒョンは振り向いて、俯いた。
「ありがとうございます」
ドユニヒョンにそう言われてヒョンは首を振った。
「俺にはこんなことしか出来ないです。他には何もあげられない」
Aヒョンは皆に優しい人だ。色んな形で、色んなやり方で。