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__カチ、
という音と同時に機械的なモーター音が私の中に響く。逃がす場所のない快楽はひたすら蓄積されて、私を高みに押しやった。
「っあ、ふ、うぐ、っぁ」
「やっぱり気持ちよさそうじゃァないか、
ねえ、正直に言ってみてよ。
イイんでしょ?」
「ん、あ、苦し、いっ、だ、けっ、」
「善くなるには刺激が足りないと言うことかい?本当に変態だねぇ、」
またしても都合良く見当違いな解釈をする彼は、やはり怒っているようで、攻めに容赦がない。
もう何度達したかわからないし、いつの間にか脱がされた服もベットの側に落ちてしまっている。
私が快楽を逃がそうと、自由のない身を懸命に捩るせいで乱れたシーツも、半分ほど落ちてしまっている。
「っひ、ぁあ、も、むり、っ」
「無理じゃなくて、ねェ?
さっきから聞いているだろう、
善いんでしょ?
認めてくれたら、ソレ、止めてあげなくもないよ。」
サディストだ、と蕩けた頭で思った。
そんなに言わせたいタイプだったなんて、意外だ。
顔面偏差値も相まって、ひとつひとつの台詞がいちいち鼓動を早くする。
なんて屈辱だ。
……いつか果たしてやる。
「ん、っあ、気持ちい、いです、ぅ」
今は私の負けでいい。だから取り敢えず止めて欲しい、
「うん、及第点かな。」
カチ、とスイッチの入った時と同じ音。
同時に私を震わせていたものは動きを止めて、つぷ、と引き抜かれる。
私が息を整えるべく深呼吸を繰り返していると、
「意地悪してごめんね、
これから先、私以外の男性とイチャイチャしてたら、
もっと酷くするから、覚悟し給え。」
なんて、知り尽くしたようにかっこいい角度で微笑んでくるのだから、ずるい。
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作者名:こめこ | 作成日時:2018年4月28日 22時