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幸運すぎだ。日頃の行いがものを言ったのだろうか。偶々声をかけた人がこれに応じてくれて、その上格好いいなんて。

しかも、着いたホテル。今までで一番綺麗だ。ルーム料金を見て驚いた。ゼロの数が多い。こんなところで寝られるなんてもう一生ないかも、部屋の写真撮っとこ。

カシャカシャ、とシャッターを切っていると声を掛けられた。

「いつもは何処でしているの?」

「ホテル街の安っぽいところです、こんな高いところ初めてです〜!ふふ、嬉しい。」

猫被りも忘れずに世間話をしているうちに、却説、と仕切り直すような声を男性があげた。

「私はシャワーを浴びてくるよ、君はどうする?」

「あ、えっと、貴方が浴び終えたら私もお借りします。」

彼は、そう、と返事をすると長い足を動かしてバスルームへ向かった。


…それにしても、私とあまり変わらない年齢のように見えたけど、お金もってるんだな。何の仕事してるんだろう?

というか、名前まだ知らないや。なんて呼べばいいのかな。まあ、私もまだ名乗ってないし、あとで聞いてみよう。

今からまたそういうことするのか、なんて自虐的な笑いを零した所で、ガチャ、とドアの音がした。


「ごめんね、先に失礼したよ。」

先程変わらないスーツ姿だが、羽織っていた外套は手に抱えられており、髪が少し濡れていた。包帯、巻き直したのかな?大変だろうなぁ。勝手な想像をそこそこに、では私も失礼します!と、わざとらしい明るい声をあげた。

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作者名:こめこ | 作成日時:2018年4月28日 22時

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