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何分経った?あとホテルまでどのくらい?はやく、早くついて。お願い、はやく。

とにかく到着を急ぐことを考えてしまう。私の中に入っているそれが丁度よくいい場所に当たって小さく震えるせいで、弱い快楽ばかりが募り続ける。

…いきたい、と思ったり止めて欲しい、と思ったり不安定に揺れ動く感情を悟られないようにきゅっと足を閉じて俯く。今日新しく買った服にシワがつくことなど考えもせず、少し大きめのそのティーシャツの裾をまた強く握りしめた。なにかに縋っていないとどうにかなってしまいそうだ。

噛み締めた唇の横に出来た隙間から息が漏れる。車内には私に刺激を与えるモーター音と、私の息遣いが響いていた。
太宰さんは一言も話さない。せめて何か話してくれたら意識が逸れるのに、と思うが、これも彼の策略なのだろうか。


「あ、と、どれくらいですか、」

「もうすぐだよ」


何度この会話をしただろう。私がこの質問を繰り返すのと同じく、同じ返答は繰り返された。時間を教えてくれないことが不安だった。あとどれくらい耐えればいいのか、終わりが見えないからだ。

「さあ、本当にもうすぐ。あと五分程度だ。よく頑張っているね。」

「あと、五分、ですか、」


それなら何とかなりそうだ、と心の中で安堵した時。本当に唐突だった。
彼は私の座席の肘置きに置かれていたコントローラーを手に取り、その強さを一番上まで引き上げた。

「ひっ、んん、んーっ、あっ、う」

その刺激はあまりにも強く、いきなりすぎた。
このままでは達してしまう、それに声だって、と思っていたら噛み布を差し出された。震える手を伸ばしてそれを受け取り、口の中に挟む。



「もうすぐだから、ね。」



と、手の甲で頬を撫でてくるその姿はやはり綺麗だ。

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作者名:こめこ | 作成日時:2018年4月28日 22時

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