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「‼︎」
“偽”敦がいきなり跳ね起きる。
生への渇望に“偽”敦の血流が反転する。
ガルルルルル……と低く唸り、敦と芥川に飛びかかる。
「なっ⁉︎」
そこにいたのは、最早人間ではなく、虎の姿になった“偽”敦だった。
「約束を守る。きっと院長先生は生き返る。褒めてもらうんだ！」
敦の後悔、恐怖が強心剤となって異能を強くする。
“偽”敦の強靭な顎が芥川に食らいつく。
芥川の黒布と“偽”敦の牙が軋み合い、キリキリと高く音が唸る。
“偽”敦の目が炯々と輝く。
「敦ッ」
芥川が絞り出す様に云う。敦が頷く。
一つの嘘から始まった世界。この過ちが二度と起こらないように。敦は自分のふりをした異能そのものに爪を立てる。
「異能力＿＿＿＿月下獣」敦の腕に虎が宿る。使い慣れた虎。
過ちが二度と起こらない様に。
二度と起こらない様に。
“偽”敦の首に爪を立てる。
鮮血が迸る。
ゆっくりと人間の姿に戻る。
そして＿＿＿＿消えた。
敦に異能の煌めきが吸い込まれていく。
記憶が流れ込んでくる。情報の渦に巻き込まれる、流される。
視界が暗転した。
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珀秋そら(プロフ) - 感想正座待機でお待ちしておりますべ (2022年8月9日 18時) (
レス) id: ae0531e6bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空白時 | 作成日時：2021年7月9日 13時
