ＰＲＥＣＩＯＵＳ ＫＺ 〜クリスマスの優しさ〜

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　竹下通りは予想以上の混雑だった。

　学生ばかりなのかと思ったけど、外国の観光客らしき人たちがたくさんいてビックリした。それぞれの国の言葉で、嬉しそうに大声で話してる。

　聞き取れる言葉は、英語、中国語、韓国語、ドイツ語、フランス語。英語とフランス語は内容も解るけど、中国語と韓国語とドイツ語は、何を言っているのか全然わからなかった。盗み聞きしたかったわけじゃないけど。

　他にもよくわからない言葉が聞こえる。世界中の言葉がゴチャゴチャしてて、ここが日本なのか疑いそうになっちゃうなんて貴重な体験かもしれない。

　そんな人混みを潜り抜け、立ち並ぶお店を見ていく。

　可愛い雑貨屋さん。ファッションのお店。お菓子のお店。アイドルの写真を売ってるお店。





「あ、ほっぺちゃん！」





　見覚えのあるグッズの名前だったから、思わず声に出してしまった。





「寄ってく？」



「いいの？」



「もちろん」





　早速店内に入って、可愛い数々の商品を見る。

　うわー。いいなぁ。





「何か欲しいのある？」



「うー…」





　あると言えばある。あっちもこっちも目移りしちゃうくらい可愛いから。

　だけどお小遣いは限られてるんだから、無駄遣いはできないし…どうしよう。

　悩んだけど、何も買わないことにした。あまり考えすぎて、二人を待たせるのも悪いもんね。





「今はいいや。
　他のお店も見てみたい」



「わかった」





　その後も、いくつかのお店に立ち寄ってもらった。

　あぁ、いいなぁ。おこづかいがもっとあったら、好きなだけ買っていくのに。





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