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 電車を乗り換えて、目的の駅に着いた私の眼の前には、人・人・人。

 さすが原宿。駅も駅前も多くの人でごった返してる。





「まだ時間早いな」



「そうだね。
 どうしようか」



「俺はどうでもいいけど、立花は行きたいとことかあるんじゃねーの?」



「そっか。
 原宿っていろいろなお店があって、学生に人気のスポットだったよね。
 アーヤはどこに行きたい?」



「わた…」





 応えかけたところで、突然重心がぐらついた。





「わ、ちょ…っ、いたっ」





 え? わ。ちょっと待って…!

 人にぶつかって、そのまま押し流されかける。

 人が多すぎて、周りの人も自分のこと以外気にしてないみたい。

 えーん、どうしようっ。





「立花!」





 その時、私の腕を力強い手が引っ張った。





「はぐれてんじゃねーよ」





 う。

 好きではぐれかけたわけじゃないもん。





「アーヤ、大丈夫?」



「うん。
 …上杉くんが、助けてくれたから」





 もし引っ張ってもらわなかったら、私は二人から離れちゃってたかもしれない。

 ホッとしつつ、気を引き締めて、とにかく駅から出ようってことになった。

 改札口を出て、比較的人とぶつかりそうにない場所で、三人固まる。

 はぁ。駅に着いただけなのに、ビックリした。

 私は恐る恐る、二人に視線を向ける。

 どうしよう。呆れられちゃったかな。

 私だって満員電車で通学してるし、運動神経は平均くらいなのに。

 落ち込みかけた私の耳に、小塚くんと上杉くんの声が届く。





「アーヤ。
 竹下通りの方を見に行く?
 それとも、日が暮れるまでどこかで休む?」



「行ってみたい店とかあったら、どこでもいいぜ」





 え?

 二人とも、全然普通…っぽい?

 それに…その話し、私がはぐれそうになる前に言ってたことだよね。





「…それ、私が決めてもいいの?」



「もちろん」



「立花の好きなとこ選べよ」





 二人に頷かれて、心の中がぽっと暖かくなった。

 こんなに人が多いから、もうイルミネーションを見に行くだけなのかと思ってた。

 体力はあるだろうけど、男の子ってウィンドウショッピングは嫌がるものだって聞いたことがある。

 それに、さっきはぐれかけちゃったから、呆れられても仕方なかったのに。




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三輪車(プロフ) - いつも素敵な作品をありがとうございます。こまさんのお話大好きです! (2021年12月21日 22時) (レス) id: 22eda808b2 (このIDを非表示/違反報告)
こま(プロフ) - hanaさん» ありがとうございます(#^^#) (2020年3月5日 21時) (レス) id: c47ae97c9e (このIDを非表示/違反報告)
hana(プロフ) - Precious KZのシリーズ大好きです! (2018年6月5日 14時) (レス) id: be288b1025 (このIDを非表示/違反報告)
清霞(プロフ) - こまさん» 有難うございます。前回の私のボードに書き込ませて頂きますね、有難うございます* (2018年3月19日 10時) (レス) id: 43f070c562 (このIDを非表示/違反報告)
こま(プロフ) - 清霞さん» こんにちは!連絡遅くなりました。返信遅くなりますが、ボードでのお話OKです。ちょっと今バタバタしていて、お待たせしてしまってすみません。入試お疲れさまでした(*^。^*) (2018年3月16日 17時) (レス) id: f7bf63d22e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こま | 作成日時:2017年12月19日 22時

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