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*


 家に帰ると、何故かパパが玄関で待っててくれた。





「…おかえり、彩」



「ただいま、パパ」



「おまえ一人でここまで帰ってきたのか?」



「途中までは送ってもらったよ。
 秀明と同じくらいの時間だから、平気って私が言ったの」





 なんて。

 言ったのは本当だけど、心配だからって言われて、二人に家の前まで送ってもらってた。

 でもなんとなく、パパには言わない方がいいかなーって思ったの。





「そ、それで…、…彩は、その…、…今日出掛けた二人の、どっちが好きなんだ?」



「⁉」





 突然訊かれてビックリした。





「どうしたの?
 パパ。
 ママみたいなこと言うなんて」



「いや、その…、…彩も中学生だし、好きな人もいるのかと…」





 うーん…、ますますパパらしくない。

 あ、そっか。今日は忘年会って言ってたから、酔っぱらてるんだ。

 それなら、気分良く誤魔化した方がパパへのクリスマスプレゼントになるかな。





「二人とも大切な友達だよ。
 私には未だ、好きな人なんていない」



「そ、そうか…」



「そうだよ。
 私の理想はパパだもん」



「⁉」



「今日すごく楽しかった。
 パパが出かけていいって許してくれたから。
 ありがとう、パパ。
 優しいパパが大好きだよ」





 う。ちょっと嘘っぽいかな。でも、感謝してる気持ちは本当だよ。

 気恥ずかしさを誤魔化すために、私はパタパタと小走りに洗面所に向かう。







 あのね、どっちが好きか、なんて答えられないの。

 だって私は、どっちも大好きだから。

 パパに対するのとは、もっと別の気持ちで…ね。





 でも、言わない。

 だって悔しいんだもん。

 今夜は私ばっかりドキドキしてた。

 あの二人にも、私みたいにドキドキしてもらいたかったのに。





 だから、これは秘密。

 私の大好きな二人が、私と同じくらいドキドキするようになるまでは、内緒にしておくんだ。

 それで、いつか素敵な女性になったら、伝えるの。






 このSPECIALな気持ちを、ぜんぶ……。






  END




*

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三輪車(プロフ) - いつも素敵な作品をありがとうございます。こまさんのお話大好きです! (2021年12月21日 22時) (レス) id: 22eda808b2 (このIDを非表示/違反報告)
こま(プロフ) - hanaさん» ありがとうございます(#^^#) (2020年3月5日 21時) (レス) id: c47ae97c9e (このIDを非表示/違反報告)
hana(プロフ) - Precious KZのシリーズ大好きです! (2018年6月5日 14時) (レス) id: be288b1025 (このIDを非表示/違反報告)
清霞(プロフ) - こまさん» 有難うございます。前回の私のボードに書き込ませて頂きますね、有難うございます* (2018年3月19日 10時) (レス) id: 43f070c562 (このIDを非表示/違反報告)
こま(プロフ) - 清霞さん» こんにちは!連絡遅くなりました。返信遅くなりますが、ボードでのお話OKです。ちょっと今バタバタしていて、お待たせしてしまってすみません。入試お疲れさまでした(*^。^*) (2018年3月16日 17時) (レス) id: f7bf63d22e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こま | 作成日時:2017年12月19日 22時

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