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「?」
二人が複雑そうな表情になってる。
なんだか二人なりに悩んでるみたいだけど、私には詳しく言えないことなのかな。
でも聞いてしまったし、放っておけない。
だから私も遠回しな言葉で慰めてみることにした。
「あのね、最近読んだスペインのことわざに
『庭には自分で植えた覚えのないものの方が多く育っている』
っていうのがあるの」
私が突然話し出したから、二人はちょっと驚いてた。
でも気にせず、さらに先を話す。
「私の解釈は
『一生懸命美しい庭を作ろうとしても、不可抗力で育った草木や花が多くあって、でもそれが立派だからそのままにしていていいんだ』
って感じたんだ。
人も同じなんじゃないかな。
こうなりたいって考えている理想があっても、それ以外の感情がたくさん入り混じって、でも最後にはそれが役に立っている。
それなら、未熟な自分があってもいいんだって思わない?」
「⁉」
「‼」
二人が眼を丸くした。
「…立花ってやっぱりスゲーな」
「うん。
僕、自分からはそういうふうに考えたりできないと思う。
そんなふうに考えられるのは、やっぱりアーヤが大人だからだね」
大人…なのかな。
普通に、国語の知識の一つとして取り入れた時に覚えていただけなんだけど。
「全部に無駄がない、か」
「…確かにそうかもね。
この先もっと動揺させられることがあるかもしれないから、その時のために精神を鍛えてると思えば…」
「これ以上とか、想像したくねー。
けど、俺たちはまだまだってところは受け入れる。
小塚と同ラインにいるみてーだからな」
「ええ?
僕より上杉の方が落ち着いてるよ」
「そう見えるなら、俺の面の皮が厚いってだけだ。
内心は大して変わらないと思うぜ」
「そうなの?」
だから。
私にわからない会話を、私の前でしないでほしいのにぃーっ。
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三輪車(プロフ) - いつも素敵な作品をありがとうございます。こまさんのお話大好きです! (2021年12月21日 22時) (レス) id: 22eda808b2 (このIDを非表示/違反報告)
こま(プロフ) - hanaさん» ありがとうございます(#^^#) (2020年3月5日 21時) (レス) id: c47ae97c9e (このIDを非表示/違反報告)
hana(プロフ) - Precious KZのシリーズ大好きです! (2018年6月5日 14時) (レス) id: be288b1025 (このIDを非表示/違反報告)
清霞(プロフ) - こまさん» 有難うございます。前回の私のボードに書き込ませて頂きますね、有難うございます* (2018年3月19日 10時) (レス) id: 43f070c562 (このIDを非表示/違反報告)
こま(プロフ) - 清霞さん» こんにちは!連絡遅くなりました。返信遅くなりますが、ボードでのお話OKです。ちょっと今バタバタしていて、お待たせしてしまってすみません。入試お疲れさまでした(*^。^*) (2018年3月16日 17時) (レス) id: f7bf63d22e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こま | 作成日時:2017年12月19日 22時