44 彩 ページ44
*
「…アーヤ」
「!」
今、私の名前…!!!
上杉君にそう呼ばれるのって、いつ以来…?
わからないけど、でも、皆にいつも呼ばれてる時とは全然違う感じがした。
自分の名前なのに、上杉君に呼ばれると特別なものに聴こえて、胸がぎゅうって苦しくなる。
「う、え…杉、く……!」
ドキドキ。
ドキドキ。
更に鼓動が高鳴りだしたのは、上杉君に私の名前を呼ばれただけじゃなくなったから。
上杉君に掴まえられた私の手が、上杉君の唇に、触れている。
「う、上杉く…」
「もう一回、キスしたい。
…いいか?」
「?」
もう一回って…、本当にもう一回???
「アーヤ。
…イヤか?」
「……ぅ…」
上杉君の瞳が月明かりに照らされて、綺麗に輝いて見える。
ずるい。
そんなふうに訊かれたら、どんなに恥ずかしくたって断れない。
好き。
上杉君が、好き…。
眼も、意識も、もう上杉君から離れられない…。
「……」
「目は口ほどにものを言う、…ってことだよな?」
「…………」
「…アーヤ、……すげー、好きだ…」
「………わ……たし、も……」
「ん?」
「…私も、好き。
上杉君が、好き…」
これ以上見透かされたくなくて、私はゆっくり眼を閉じる。
この次に眼を開けたとき、数学のテストで初めて満点を取れたことを話したい。
それから、あのことも、他のことも…。
これから先の私たちのことも、たくさん話したい。
ずっと。
いつまでも……。
FIN
*
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ooooooooo - 感動しかないわ!!!!! (2022年2月20日 22時) (レス) @page45 id: 5ba6c307c9 (このIDを非表示/違反報告)
恋雪 - 言葉では、伝えられないくらい感動しました。軽い気持ちで、読むつもりだったんですが物凄く夢中になりました。とっても面白かったです!!! (2021年8月24日 15時) (レス) id: 77a3f18b6f (このIDを非表示/違反報告)
小雪 - やっぱり、上彩サイコー!最後めっちゃ照れました!こま☆さんのこと、いつまでも応援しています!!! (2020年9月7日 19時) (レス) id: 8d0e213ce6 (このIDを非表示/違反報告)
あおい - 本当の小説として、本になってほしい!! (2020年4月10日 21時) (レス) id: 331ddf8f4c (このIDを非表示/違反報告)
Mayu - 上彩大好き上杉君推しにはありがたいです。これからも頑張ってください応援します!! (2019年6月9日 23時) (レス) id: c3d92851e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こま | 作成日時:2016年5月10日 15時