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物陰に隠れようとする私を、お構い無しに見つけた。


「瀬尾、お前何してんだ?」

「いや、そっちがでしょ。こんな朝っぱらから」


私もだけどと思いつつ、田中を見つめる。


「俺は後輩と練習してんだ。5時からやってんだぞ」

田中は(謎の)勝ち誇った顔を見せつける。


「田中さん、女子の知り合いいたんですね!」

奥から元気な声が聞こえ、オレンジくんが出てきた。


「え、ちっちゃ」

思わず声が漏れてしまい、ハッとする。

これ言っちゃいけないパターンのやつだ、と。


オレンジくんはしょんぼり気に、体育館の入り口に体操座りをした。

まあ初対面の女の第一声がアレじゃ、悲しいよね……。


ごめんと心中謝りつつ、体育館の奥に目をやった。



「……あの、昨日はすみませんでした」

たまたま目が合った子に、ペコとお辞儀をされた。

一瞬誰だか分からなかったけど、すぐ認知できた。


「いやいや、私こそごめんね。邪魔しちゃって」

昨日は無愛想だったかなと少々後悔。

代わりに今、下手な作り笑顔を振る舞った。





その後、結局丘に行くことはできなかった。

オレンジくんと屋上の男の子は練習を再開。

同じクラスでも全然話さない私と田中は、意気投合していた。


元々、田中とは中学が同じで仲良しだったけど、高校に入った途端話さなくなった。




随分大人らしくなったな、と感じた。

▽→←第二章 現実ヒストリー



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ハルジオン(プロフ) - 太宰亜里沙さん» コメントありがとうごさいます。楽しんでいただけてなによりです! (2020年7月14日 17時) (レス) id: 590d5b732c (このIDを非表示/違反報告)
太宰亜里沙(プロフ) - コメント失礼します!凄く面白くて一気読みしちゃいました!静かな夏の描写や素敵な影山をみれてとても読んでいて楽しかったです! (2020年7月14日 12時) (レス) id: 9865e50aa1 (このIDを非表示/違反報告)
ハルジオン(プロフ) - はるはるさん» コメントありがとうございます。夏の描写はかなり気を使っていたので、そのように言っていただけて光栄です! (2020年7月11日 13時) (レス) id: 590d5b732c (このIDを非表示/違反報告)
はるはる(プロフ) - 影山くんと主人公の不思議な関係、対して、鮮明な夏の描写。素敵な文章に幾度も胸をきゅっと締め付けられるようでした。最後の文章で、一気に世界が色づくような錯覚を覚え、思わず泣きたくなるような気持ちになりました…! (2020年7月11日 2時) (レス) id: 356a43a05c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハルジオン | 作成日時:2020年6月21日 13時

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