【◇】Ace of Diamond

前園健太 ページ8

*エセ関西弁注意


親戚の集まりで大阪に来た｡

親同士が楽しそうに話してるので
暇になった私はその場を抜ける｡



『あ』



後ろ姿が健ちゃんらしき人を発見｡
背後に忍び寄って肩をとんとんしてみた｡

ちゃんと本人でほっとする｡



『健ちゃーん！おめでと！』

「おお､Aやないか！」

『お疲れさまです！』



いえーい！とハイタッチして
健ちゃんとにこにこ笑い合う｡

何か久し振りだなぁ…｡



『いやぁ､お姉ちゃんは嬉しいよ』

「1つしか変わらんやないか」

『1つでもお姉ちゃんなの』



健ちゃんは私の親戚の男の子の友達で
小さい頃何度か遊んで仲良くなった｡

東京来るって聞いた時は嬉しかったし｡



『今からどっか行くの?』

「ちょっとな」

『あ､彼女と行くの?』

「彼女なんかおらんわ！」



顔を赤くした彼が私の頭を撫でる｡

少し前まで私よりちっちゃかったのに
数年で私の身長を優に越してしまった｡



『ひとり?』

「そうや」

『じゃあ彼女役してあげよう』

「えっ､ええわ！そんなんいらん」

『いーのいーの』

「…」



私は嬉しいんだよ｡

健ちゃんの隣にいたいの｡



『何処行くの?』

「…あそこや」

『んん?』



顔の赤い彼に連れられて来たのは
女の子向けのファンシーなお店｡



『あ､こういうの好きなの?』

「ちゃうわ！やめんか！」

『べつに引かないよ?』

「ぷ…プレゼント買いに来たんや」

『いいじゃん｡一緒に選ぼうか?』

「おおきに」



お母さんにお礼がしたいという彼の為に
かわいい小物やアクセサリーとにらめっこ｡
最終的には誕生石のついた髪止めに｡

お店をでて一息｡



「ほんま助かったわ」

『私も楽しかったから』

「あ…あとこれ」

『ん?』

「めっちゃ見とったから」



私の手に落とされたかわいい袋｡
きっとなかにはネックレスがある｡



『わー！ありがとう健ちゃん』

「今日のお礼も兼ねてや」

『お姉ちゃん嬉しい』

「その」



ん?と返せば彼は阿修羅顔と赤面を
器用に繰り返しながら口を動かす｡



「お姉ちゃん､っての止めへんか?」

『あ､嫌なら止めるけど…ごめんね』

「嫌とかそういうんやなくて」

『え』



「それ以上の関係になりたいんやけど」



『あ､も､もちろん…です』

「ほんまか?」

『ほんまです』

「よっしゃぁ！！！」



大声でガッツポーズを決めた為
周囲の目を引いて更に頬を染める｡


案外､かわいいとこあるよね｡


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