【◇】Ace of Diamond

倉持洋一 ページ7

*


『洋一！おめでと！』

「ひゃはは！さんきゅー」

『お邪魔しまーす』



洋一のお家にお邪魔すると
洋一のお母さんとお爺さんが｡



『おめでとうございます』

「Aちゃんわざわざありがとね」

『幼馴染みが甲子園なんて鼻高いです』

「相変わらずいい子ね､ねぇ洋一?」

「うっせぇババア！」



おら､A行くぞと手を引かれ
奥の部屋へと連れていかれた｡



『あ､カップケーキ作ってきたよ』

「マジで?やった」

『はいどーぞ』



鞄から綺麗にラッピングした袋を取り渡す｡

すぐ開けちゃうしそんな意味はないけど
細かいところまで気を使えるのが
いい女っていうのを何かで見たから｡



「すげ､女子力」

『でしょでしょ､もっと言って』

「調子乗んなばか」

『ひどい』



びりびりーっと破いちゃうのかと
思えば赤いリボンを丁寧にほどいて
ちゃんと綺麗に開けてケーキを取り出す｡

そして一口ぱくついた｡



「うめぇ」

『でしょ､もっと言って』

「いやガチでうまいこれ」

『ほんと!!?』



ぺろりとケーキを平らげ2つ目へ｡
どうしようすごい嬉しい｡やったぜ｡

あぁ､



『洋一のそういうとこ好き…ん?』



ふと思ったことが口から漏れた｡
ケーキ吹いて目を見開く洋一｡



「はぁ!!?」

『あ〜…ごめん用事思い出した帰る』

「はあぁ!!?」



何の予定もないけど予定外の告白を
してしまったので正直ここに居づらい｡

取り敢えず逃げよう｡



『お邪魔しましたー！』

「あら､またきてね」

『はーい！』

「あっ､おいおま」



洋一の家を飛び出した｡


くそぅブーツ走りづらい！！！
なんて思いながら必死に走ってく｡
だってフられたら立ち直れないし｡



「ばかおい待てこらばか！」

『ばかを名前風に使うんじゃない！』



ぱしり､チーターさまに腕を掴まれた｡

振り返れば冬場に裸足でサンダルと
またさっっっむい格好で走ってきた彼｡



「返事聞かずに帰んのかよ」

『硝子製のハートにはキツいんです！』

「フるわけねぇだろうが！」

『私だって！……ん?』

「あ〜さみぃ､早く家戻んぞ」



寒さからか顔を赤くして私の手を
ぐいぐいと引っ張ってく洋一｡



『え､じゃあ私彼女なの?』

「あーはいはいそうですよ」

『ふつつかものですが､よろし』

「お前そういうとこ真面目だな」



ひゃはは､と笑った彼はよろしくなと
小さく呟き私の頭をわしゃわしゃした｡


そういうとこも､すき｡


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前園健太→←御幸一也

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