轟雷市 ページ22
*
違う高校に通う幼馴染みは
今だに河川敷にいるのでしょうか｡
『らーいちくん』
あ…よかったいた｡
橋の下でぶんぶんとバットを振る彼は
私の幼馴染みの男の子の轟雷市くん｡
冬だしこんなに寒いのにすごいよね｡
「A､ちゃん」
『お久しぶりです』
「うん」
『サンドイッチ作ってきたの』
「ありがとう…！！！」
ぱああ､と瞳をきらきら輝かせて
私の方に全速力で走ってくる｡
鼻の頭が赤くなってて寒そう｡
『雷市くん寒くないの…?』
「ま､まぁ…」
『温かいお茶もあるからね』
ふーっと白い息を吐いてその場に
座ろうとすると､待ってと雷市くんに
止められた｡座っちゃだめだったかな｡
「これ…汚れる､から」
『わわ､ありがとう』
「うん」
ポケットから取り出したタオルを
座ろうとしてた所に敷いてくれる｡
私がタオルの上に座ると彼はその隣に座った｡
『除菌ティッシュで手拭いてね』
「ん」
除菌ティッシュで彼が泥まみれの手を
せっせと拭いてる間にサンドイッチを準備｡
カップに温かいお茶を注いだ｡
「食べて…いいの?」
『うん､好きなだけどうぞ』
「わあぁ……」
頬を赤く染めてバスケットに手を突っ込む｡
両手でひとつずつサンドイッチを持って
交互にもぐもぐ大口で嬉しそうに頬張った｡
「うめぇ！」
『それはよかった』
口の周りを汚しても気にも留めない｡
余程お腹が空いてたのかサンドイッチは
次から次へと彼に吸い込まれていった｡
「ごちそーさま…！」
『お粗末さまでした』
温かいお茶をごくごく飲み干して
ぱちん！と両手を合わせた彼の口を
除菌ティッシュで軽く拭いてあげる｡
『おいしかった?』
「うん」
『また作ってくるね』
「うん…！」
幸せそうに､にぱーっと微笑んで
私の手を優しく握って軽く振った｡
昔と変わらない純粋で優しい笑顔｡
でも
ごつごつしてて固くて大きな手に
昔の彼とは違うんだとひとり実感する｡
「甲子園」
『うん?』
ぽつり､呟いた彼の方を向けば
力強い目で川の向こう岸を見てた｡
知らないうちにかっこよくなっちゃって｡
「次は…連れてくから」
『うん､楽しみにしてる』
私だって
君が頂上を見せてくれるときは
特上の豚カツ持って会いに行くから｡
.
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なつみかん(プロフ) - 黒糖団子さん» 完結おめでとう!!!これを見るとアニメが思い出されてじーんってなっちゃう…サナーダのナポリタンが羨ましいぜ…黒糖ちゃんのサナーダイケメンすぎて…イラストもかわいすぎました…亮さん髪短い…!!更新お疲れ様でしたー!!これからも頑張ってねー(´∀｀*) (2016年5月14日 17時) (
レス) id: 29ab7b3f96 (このIDを非表示/違反報告)
黒糖団子(プロフ) - 詩音さん» ありがとうございます(( ´∀ ` * ))にやにやしてくださって嬉しいです…！痴漢並みの不審者(笑)詩音さんはきっとかわいらしいので大丈夫です｡無事完結しました！他の作品の更新も頑張ります…！ (2016年5月14日 16時) (レス) id: 0e6a6706bc (このIDを非表示/違反報告)
黒糖団子(プロフ) - 乃野七さん» ありがとうございます！倉持推しの乃野七さんに倉持を褒められたときは本気で嬉しいです…｡雅さんは精一杯ハンサムになるよう書きました(笑)気に入ってくださってよかったです(( ´∀ ` *)) (2016年5月14日 16時) (レス) id: 0e6a6706bc (このIDを非表示/違反報告)
黒糖団子(プロフ) - まもたんさん» こちらこそお久しぶり大根です！(笑)ありがとう！上手いだなんて勿体ないお言葉…(* ´ 艸`*)無事完結しました！これからも宜しくです！ (2016年5月14日 16時) (レス) id: 0e6a6706bc (このIDを非表示/違反報告)
黒糖団子(プロフ) - すたさん» わー！ありがとうございます！すたさんからコメントを戴ける日が来るとは…(感動)｡投手コンビかわいいですよね！楽しんでいただけた様でよかったです｡わわ､嬉しいです｡私もすたさんを全力で応援します！(` ･ω･ ´) (2016年5月14日 16時) (レス) id: 0e6a6706bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒糖団子
| 作成日時：2016年4月7日 18時
