最後の学園祭、2週間前 ページ5
「今日決めることは、A組はどのような出し物をするかと
ミス魁皇、ミスター魁皇コンテストの代表です！
何か意見がある人は、言ってください…！」
学級委員の茅野の一声で始まった、残り2週間に迫った学園祭についての話し合い。
……といっても、誰も茅野の話をまともに聞くわけがない。俺は後ろの須永達と話してる。
「もーみんなぁー！かやのちゃんこまってるよぉー？きいてるぅー？」
……いや、バカは聞いてたか。
翠川はつい先日うちのクラスに転入してきた女子。
バカだけど優しいし、それに…可愛い方だと思う。
まぁこれを言ったら兵頭あたりにからかわれるから言わないでおくけど。
「聞いてるってば、スイ。
適当にメイドとか執事喫茶とかやればいいじゃん」
諏訪がそう言えば仲の良い女子が賛同した。
……だけど、宇佐美があっ、と声を上げた。
「確かC組がメイド喫茶やるって森崎先生から聞いた」
「喫茶やるにしても何か別のことやりたいよね〜」
「俺お化け屋敷やりてー！」
各々やりたいことを言っていく中、茅野がそれらを聞き取って黒板に書いて、決めていく。
俺は何でもいいや。どうせ沙良達に何か着せられるだろうし…
「それじゃあ次に、ミス・ミスター魁皇コンテストの代表を決めます。
まずミスターの方から…の前に、里見くんは殿堂入りなので里見くん以外でお願いしますとのことです！」
「はぁ!?何それ！」
「海斗出ないのー？」
女子の何名かの声が聴こえたが茅野に押しつけとく。2年も出たんだから今年ぐらい楽になりたい。
そう思っていたら須永が代表になってくれた。目の前の須永にはお前の代理かよ、と言われた。
「男子は須永くん…と、
では次はミスの代表を決めます！誰か立候補か推薦＿」
「スイを推薦しまーす」
スイだけに、そんな大して面白くない冗談を言って諏訪が笑えば他の女子が笑う。
…あぁなるほど。笑い者にしたいってことか。
色んな女子を見てきた俺は何となく分かる。諏訪とか水越は特におっかない。
当の翠川は今どう思ってるのか…と気になり、振り返って前を見る。
「…ッ」
一瞬、ほんの一瞬だった。
いつも馬鹿みたいに眩しい笑顔の翠川が、真顔だった。無感情のようにも思えた。
何だか見てはいけないものを見てしまった気分になって、すぐ須永達の方を向く。
翠川の、あの突き抜けるような明るい声が、
「いーよぉー！すいちゃんにまっかせなさーい！」
.
今じゃ妙に怖く感じる。
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涼宮美桜 - このお話すっごく好きです！これからも更新頑張ってください！応援してます！！ (2019年3月30日 15時) (
レス) id: 67fa9efd8d (このIDを非表示/違反報告)
ぺんちゃん(プロフ) - viva…。GJ…。お空のぼれそう… (2019年3月19日 20時) (レス) id: b91641893d (このIDを非表示/違反報告)
ぺんちゃん(プロフ) - 最高です！まさかスピンオフをみれる日が来るなんて…！！本編も愛読してます！私もスイちゃんなりたい…里見くんに愛されたいです… (2019年3月7日 20時) (レス) id: b91641893d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無音
| 作成日時：2019年3月7日 18時
