最後の学園祭、買い出し ページ7
「さとみくん、えのぐあったよぉ」
「よし、何か使えそうな装飾はあった。
ついでに皆に何か差し入れすっか。」
「お〜!」
…何か、普通に買い出ししてる。
翠川がすぐにふらふら何処かへ行くかと思ったら、何買うか把握していたり買ったものはちゃんと半分持ってたり、無駄な行動が一切ない。無駄なのは言語のみだ。
「なぁ翠川、」
「ん?どしたのさとみくん」
「明日のミスコン、お前何か作戦とかあんの?」
「さくせん…」
うーん、と考える翠川。
人差し指を顎に当てるその仕草は、いつも子供っぽい彼女が何故か大人っぽい。
「…ごめん、さとみくん
みすこんにさくせんとかそういうの、あるの…?」
「あっ…そっか。翠川初めてだもんな。
えっとな、ミス・ミスター魁皇コンテストってのは…」
翠川にミスコンの審査から攻略ポイントまで教える。
諏訪達のことだから、翠川が勝つとか思ってないから何も説明しなかったな。流石に悪質すぎるだろ。
「ひとまず、審査内容はファッションショーと特技と演技…だな。その3つの審査を通して、会場と審査員の評価で決まる。」
「へぇ〜みずぎとかなくてよかったぁ〜」
そこかよ。そういうインターナショナル的なのはねぇよ。高校の学園祭だぞ。
「ちなみにゆーしょーしょーひんってあるの?」
「あるけど…都内限定食券10万円分」
「ふーん…そっか。
ちょっとやるきでてきた!ありがと、さとみくん!」
食券でやる気が出るのか。
現金すぎないか?それとも翠川の頭の中って食欲しかないのか?
「おー里見と翠川おかえりー」
「おっ、おにぎりとお茶じゃん!ありがてぇ〜」
そう言って男子は俺が、女子は翠川が差し入れを配っていく。
「スイ?もしかしなくても海斗に惚れたりしてないよね?」
「海斗は誰にでも優しいから。そこ勘違いしないでよね。」
沙良達の牽制するような声が聴こえてきて、それに対して聴こえないふりをする。
あいにく俺は王子様と呼ばれているけど、女子の面倒事にいちいち首を突っ込むほど優しくはない。
「わかってるよぉ。さとみくんはわたしにも、はなおかたちにもやさしいなっておもった。
だれにたいしてもきづかいができて、きくばりじょうずだからイケメンってよばれてるんだねぇ」
そう言って翠川は再び差し入れを渡す。
俺はそれを…ただ見ていた。
.
「…里見?どこ見てんだよ?あと顔赤いぞ?」
そう甲斐に言われるまで、ずっと翠川を見つめていた。
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涼宮美桜 - このお話すっごく好きです!これからも更新頑張ってください!応援してます!! (2019年3月30日 15時) (レス) id: 67fa9efd8d (このIDを非表示/違反報告)
ぺんちゃん(プロフ) - viva…。GJ…。お空のぼれそう… (2019年3月19日 20時) (レス) id: b91641893d (このIDを非表示/違反報告)
ぺんちゃん(プロフ) - 最高です!まさかスピンオフをみれる日が来るなんて…!!本編も愛読してます!私もスイちゃんなりたい…里見くんに愛されたいです… (2019年3月7日 20時) (レス) id: b91641893d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無音 | 作成日時:2019年3月7日 18時