２９.ごめんなさい ページ30
side⇒鳴上嵐
嵐「…そ、れは……」
本当の事を言おうとして、また飲み込む。
…『貴方を傷つけられない代わりに、貴方を裏切る』なんて、言えるはずがない。
『ほら、都合が悪いと目を逸らす。
人間特有の生理現象だねぇ…
そんなに、私のこと信用できない？』
そんな訳ない。
今だってこんなことで言い争いたくない。
Aちゃんはこの夢ノ咲に差し込んだ希望。
失ったら、本当に夢ノ咲はおしまいだ。
…だからこそ、アタシのせいでその光を消したくなんかない。
『それで？ナルちゃんの言いたかったことは？』
嵐「アタシは…」
嵐「
Aちゃんの大きな目を見開かれる。
彼女はそんな気はないんだろうけど、きっとかなり動揺している。
…そんな顔してくれるぐらい、アタシのこと大切だったら嬉しいのに。
『何で』
嵐「王さまが、戻ってこいって言ったから。」
『戻ってどうすんの』
嵐「またKnightsになるわ。
王さまと、泉ちゃんと、凛月ちゃんと、司ちゃんと一緒に。」
『…私の事、裏切るって言うの？』
嵐「それは…」
『言ったよね？…ナルちゃん言ったよね！？
皆を、Knightsを助けてって！
あれ嘘だったの！？
王さまが戻ってこいって言った？
あのクソガキはお前のこと裏切り者って言ってたくせに！？
なのに従うなんて、バッカじゃないの！？』
嵐「っ……」
『逸らすな！私から目を逸らすな！』
Aちゃんの両手が、アタシのそれを掴む。
握る力が、どんどん強くなっていく。
『私のことを裏切るなら、
私の目を見て嫌いだと言え！！
もう話したくない、顔も見たくないって！
…そしたら、私だって、
アンタのこと…嫌いだって言えるから……っ』
Aちゃんの目から、大粒の涙が落ちた。
アタシは最低だ。
…親友にこんな思いさせるなんて。
好きな子を、泣かせるなんて…っ！
嵐「……ごめんなさいっ！」
部室を出て、とにかく遠いところへ逃げる。
…そうして辿り着いた、小さな庭。
誰もいないと分かった途端、
嵐「っ、ごめんなさい…
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……
っう、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…！」
アタシは、壊れた。
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レス) id: 9f94443348 (このIDを非表示/違反報告)
なとむん - 27話の最後見て、思わず中指立ててしまいました。レオ好きな私が… (2017年10月9日 15時) (レス) id: 9ea75f5c5e (このIDを非表示/違反報告)
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