推し婚【松田陣平】 (ページ25)

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狂気的犯行ページ25

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「それで、貴方が犯人を投げ飛ばしたと」

「こいつは俺の同期だ」

『あっ、初めまして〜。第一機動捜査隊所属の双海Aです』

すぐに捜査一課の人が来てくれた、思ったよりも若いし見たところ陣平くんと組んでる人じゃないかな。めっちゃ美人で若くてハイキャリアってなんだ天は二物を与えずとか嘘だろ。と言いたいところだけど、この場を漂う腐敗臭に全く笑えなかった。

顔を歪めたくなるようなこの匂いの元はスーツケース。スーツケースは少しだけチャックが開いていて、そこから少しだけ内部が見えている。そう、生々しいアレ。

「今日は一緒にここにいらっしゃったんですか？」

他の刑事さんにそう聞かれた。

『はい、お昼ご飯と買い物を一緒にしてたんですけれど』

その質問は必要だったかと思ったけれどそりゃ知らない人なら私が怪しくも見えないこともないのかもしれない。私捜査一課じゃないからわかんないけど。

「あ〜！ちょっとAさん！昨日俺のこと置いて帰りましたよね〜！次の日事件に巻き込まれるなんてどうなってるんですか？」

頭かち割れそ〜と言いながらTHEスポーツ得意ですって格好で現れたのは、この度私の部下として配属された伊吹くん。

『巻き込まれたと言うより、捕まえた？であってるのかな？』

「ポテンシャル高すぎっすよAさん」

「あら、伊吹くんじゃない」

「よっ、佐藤」

「機捜が出向いてくるなんて聞いてないけど？」

「長年追ってた連続殺人犯かもしれないから行ってこいって言われたんだよ。なんせ俺の上司が捕まえたし」

「伊吹の上司って、双海さんだったんですね」

あら、思わぬところに知り合い？みたいなことになってる。

一旦お互いに警察官としての職務にあたることになった。

『うわっ、なにこの匂い…ホルマリン？』

「俺、ホルマリンの匂い嗅いだことないんですけど」

犯人の足跡を都内の防犯カメラを駆使してたどって、何ヶ所か目星をつけたところにそれぞれ刑事さん達が配置された。私もその一つに来ている。

『っ！？』

ﾊﾞｧﾝと大きいおとがなった。

「なんすか今の音！！」

『静かに、発砲音だよ。こちら機捜102、共犯者と思われる人物が発砲。応援を要請』

こんなに近々で発砲音を聞くと思わなかった、私運ないかもしれない。

「俺どうしたらいいすかね」

『とにかく一旦静かにここで息を潜める。それが君の仕事』