観察六十 ページ36
何かを待ちわびるような視線
けれど私は彼女を見下ろして疑問を口にした
「ところで一年生、あなたは『旅行』としてここにきてるの？それとも『合宿』としてここにきてるの？」
いつもはしないような高圧的な物言いで彼女に首を稼げて見せる
無表情である私がそれをするのはひどく不釣り合いな気がするけれど少しだけ気になるのだ
彼女が旅行で来たのか、合宿できたのか
「私、ですか？もちろん合宿ですよ」
アウト
「それはおかしい。あなたは普通科、そして部活動にも入っていない。…ねぇ、それは何の合宿？」
全校生徒の部活動と問題のある生徒のプロフィールを頭に叩き込まれる風紀
その風紀である私が知りえない部活なんてあるはずがない
そして何より私は新聞部、学園の提示の権限または学園内の監視の権限をも併せ持つ
その情報を駆使してさえ見つからない謎だと言われる部活など存在しない
一年生は疑問も持たずに合宿だと主張した
「そんなの決まってるじゃないですか、アイドル学科の合宿ですよ？」
何を言ってるの？当たり前でしょうと言わんばかりに首を傾げて彼女は微笑んだ
かすかに見える瞳の奥の苛立ち
けれど私はそれを無視して首を振る
「それはあり得ない、だって君はただの一般生徒でアイドル学科じゃない、罰則を受けたたいの？」
「罰則？」
「そう、あとね、君が彼らに義務を押し付けるなと言ったけどそれは違う。彼らはその義務すら追うのを承知の上で入ってきたんだよ」
そうだよね？そういって目を向ければ気まずそうにけれども否定はせずに押し黙る面々
けれど肩を震わせる一年生を抱き寄せて私に楯突く猛者がいた、いや、馬鹿というべきなのか…叔父に連れていかれすっかり海の男という格好した朔間が顔を覆う
そして涙をぬぐい私に向けて親指を立てる…随分懐かしい動作ですね先輩。それ覚えてますよ「思いっきりやっちまえ」の合図ですよね。中学校の頃よく見ました
「風紀ちゃんあんまり苛めないでくれる？ほら、そんなに怖い顔しないで、笑って笑って」
にっこりとこちらにほほ笑むのは三年のなんとか薫だったか、朔間の所のメンバーで朔間と共にチームの顔だったはず
一年生を片手で抱き寄せ私の表情硬い頬に手をのばすその手を逆に引き寄せて彼の懐に入り、一年生から手を外させて窓の外へと背負い投げた。
舞う砂埃。私は彼に触れた部分をエプロンで吹いて腑抜けたアイドルたちを見据える
「まだここにいるというなら次は君らだ」
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妃瀬(プロフ) - 続編はなんらかの理由で開かない様だ…。めちゃくちゃ好きな作品だから是非続きを見たい (6月10日 0時) (
レス) id: 7f2cf0d803 (このIDを非表示/違反報告)
カレン - 続編が開けない悲劇 (2021年2月22日 16時) (レス) id: 103a37bcc3 (このIDを非表示/違反報告)
紅蓮華 - 確かに続きを見ようとしたらページが無くてシリーズ3まだなのかな？って思いました！リクエストで、2月8日（ニーハイの日）と言う事でニーハイを履いた夢主に対してレオくんが独占欲と嫉妬全開になる話お願いします！ (2020年3月23日 7時) (レス) id: 1fa4972d94 (このIDを非表示/違反報告)
クロにゃんスリーピー(プロフ) - この小説が面白くて気に入りました！シリーズ２から続編を見ようもしてもページがみつかりません！どうしたらいいですか？ (2020年1月21日 17時) (レス) id: bad43f72a1 (このIDを非表示/違反報告)
朔咲(プロフ) - この小説とても面白いです！お気に入り登録しました！このシリーズは２まで読ませて頂いたのですが、「続編を見る」を押してもページが見つかりません！続編はないのでしょうか？ (2018年12月28日 16時) (レス) id: 6cb6312e2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空道ユメノ x他1人 | 作成日時：2017年6月9日 21時
