五話「亡国の生き残り」 ページ7
「俺、souって言います
中央の雪国で幹部をやっていた...」
『....中央の雪国....
今日の会議に参加しなかったから資料を渡されたんだけど、確かその国の名が挙がっていた筈...』
手元のファイルに視線を落とし、暫く捲っていると、お目当のページを見つけたのか手を止めた
Aは内容に目を通して表情を険しくすると、気遣うように青年を見る
「...気は遣わないで良いんで
母国と総大将がどうなったのかは、予想がついてます」
『...そう
....基地の兵士も幹部も、街の住人も、誰も残っていない、って書かれてるけど...
貴方が最後の生き残りって訳ね』
淡々と事実を告げた彼女は、席を立って青年を見下ろした
見返す青年に、先程までAを前に顔を赤らめていたような純情さはない
あるのは、一人の軍人としての覚悟
『どうする？
平和な暮らしを望むなら、此処の大将は援助するでしょう
....ここで奴等に一矢報いると言うなら、それも同じく手を貸すわ』
回答を求められ、souは真っ直ぐに言った
「仇を取ろうとは思わない
あの人はそれで喜ぶような器じゃないから
...だから、俺は俺の意思であいつらを潰す
これ以上の犠牲は出したくない」
揺るがない言葉に満足したのか、彼女は無線を取る
『半端な心意気なら叩き出してたわよ
大将には連絡しておいてあげるから、まずは私の補佐に付きなさい
奴らの戦い方を間近で見てるなら、サポーターの方が向いてるわ』
それから暫く、無線で連絡を取る彼女の姿を、彼は見ていた
綺麗な人だと思ったのは嘘じゃない
目を覚ましたばかりだった自分の目に、彼女が女神のように写ったのも本当の話だ
亡くなった総大将の事を吹っ切る事はまだできない
あの人は、それだけ時が経とうと自分の恩人で、父親だ
それでも、今はこの人に着いて行こう
自分の力が役に立つなら、この女性の元で奮いたい
会ったばかりではあるが、それでもここまで心酔するだけのカリスマ性を、彼女は持っていた
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ココア(プロフ) - シオンさん» コメントありがとうございます！はい、元ネタは我々だの方々の実況です。対エイリアン、という単語にハッとしまして.....。更新頑張ります！！ (2017年7月1日 17時) (
レス) id: 742ad63ee0 (このIDを非表示/違反報告)
シオン - 番外編、おめでとうございます!!楽しみです!!エイリアンは元ネタ我々だですか? (2017年6月30日 16時) (レス) id: 986262ce68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ココア | 作成日時：2017年6月29日 13時
