三人目の主 ページ8
三人目の主は心優しい方々でした。
私が巌勝様と縁壱様を失ってから、トボトボと歩いていると声をかけられたのです。
?「譲ちゃんどうしたんだい?
今にも消えちまいそうだ。」
と。
これが、主との出会いでした。
主に私がこうなっている経緯を話しました。
すると
「じゃあ、譲ちゃん!
私と、娘と、弟子の使いにならないか?」
そう言われました。
私は迷うことなく「なります!」と言いました。
主の名前は慶蔵様と言って道場を開いていました。
慶蔵様に案内されて道場についてから、弟子の狛治様と、慶蔵様の娘様の恋雪様に挨拶をしました。
恋雪様はお体が弱く、狛治様が看病されていました。
私は、使いなので看病を手伝うことになりましたので、狛治様と恋雪様に仲良くしてもらいました。
主達と過ごしている日々の中で狛治様が過去を話してくれました。
狛治様の過去は悲しいものでした。
確かに犯罪は駄目ですが狛治様の誰かを思いやる心には感動いたしました。
狛治様は恋雪様に恋心を抱いておられました。
私は二人の恋愛を陰ながら応援していました。
恋雪様の体調がよくなってきた頃、狛治様は恋雪様と花火大会を見に行きました。
帰ってきた二人から嬉しい報告を聞きました。
告白は恋雪様からで、結ばれたという報告です。
また、狛治様は道場の跡継ぎを任されました。
とてもめでたい事でした。
ですが、とある日の事です。
私と狛治様が道場に居なかったその時、居なかったせいで恋雪様と慶蔵様は殺されてしまいました。
どうやら、隣の道場のものが私達が侍でもないのに土地を手に入れた事を妬んだことから井戸の水に毒を入れ殺したというのです。
私と狛治様は悲しみました。
私は復讐しようとは思いませんでした。
だって、隣の道場のものと同じ所まで堕ちるのは嫌だったから。
それに恋雪様と慶蔵様はそれを望んでいないと思ったからです。
ですが狛治様は怒りにまかせ隣の道場のものを守るための拳で67人もの人を殺してしまいました。
私は、狛治様がそのような行動に移っていたことを気づけませんでした。
私は、狛治様がいなくなっていることにハッとしたときに気づきました。
もしかしてと思い、私は隣の道場に行きました。
隣の道場についたときには、そこには何人もの死体が転がっていました。
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作者名:八仙花 | 作成日時:2020年6月29日 21時