僕らの場所 (ページ49)

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雅side ページ49

僕はリーダーを下ろすと少し離れた場所にいる翔くんのところへ向かった。

翔くんの近くには心臓にナイフが刺さって倒れている吸血鬼がいた。

胸を押さえて血の海の真ん中に座っている翔くんの近くへ行くと苦しそうなヒューヒューという早い呼吸が聞こえた。

押さえている場所にはナイフが刺さっている。

雅「翔くん！」

僕は翔くんのもとへ駆け寄る。

翔「…っ…相葉…くん…んっ…怪我…してる…。」

雅「僕は大丈夫。それより翔くん、ひどい怪我。」

翔「…よかった…ごほっ…」

翔くんは血を吐き僕の胸へと倒れてきた。

翔くんは気を失ってしまったが弱々しく苦しそうな呼吸をしている。

さっきは気が付かなかったがSくんの右手には紫色の石が光っていた。

まだ3人は生きている。

僕は翔くんの胸に刺さったナイフに気を付けながら残っている力を振り絞って翔くんを2人の近くへと運んだ。

翔くんをリーダーの隣に下ろす。

僕は3人の近くに腰を下ろし体の力が抜けて動けなくなってしまった。

地面はどんどん血で赤黒く染まっていく。

もう誰の血なのかもわからない。

僕が後ろを振り返ると遠くに村人たちが見えた。

僕たちを見て何かを話しているが聞こえない。

普段なら聞こえるはずの音が聞こえない。

僕は3人を見た。

みんな静かで眠っているみたいに見える。

僕らはここで死ぬのかな？

僕らが死んだあとはあの吸血鬼たちと一緒に山に捨てられるのだろうか。

僕が死んだら池に向かう途中で死んだ人たちはどうするのだろう。

そんなことを考えても仕方ないか。

僕らは池へ行く力も残っていない。

僕ももう限界だ。

僕も目を閉じた。