僕らの場所 (ページ36)

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雅side ページ36

智「それ、松潤の。…なんで。なんで翔くんがそれを？」

翔「松本くんから預かったんだ、あの日。松本くんに、

“僕の大切なものです。預かってください。そしてあなたは何があっても死なないでください。あと2人には内緒にしてください。”

って言われて。始めは何なのか全然わからなかった。

時々光ることがあっても何が起こるわけでもない。今日までこんな意味があったなんて…。

でも僕はこの石のおかげで生きて来れた。

松潤に手を貸したことが悪いことだって気づいてからは自分の行動を悔やんだ。

後悔して後悔して。でも僕はあの日の松本くんのことが忘れられなくて今まで生きて来れたんだ。」

和「潤くんらしい。潤くんは自分がもう長くないことを知っていたのかもしれないね。

それで翔くんにその石を。その石の所有権を移すことで潤くんがもし息絶えたとしても僕らは生きることができる。

自分たちを守ろうとした石にこんなに振り回されるなんて。」

智「でも翔くんの命はこの石が繋いでくれた。それだけで僕はいいよ。

翔くんごめんね。翔くんは僕らを助けてくれた。それはいつまでも変わらない事実だよ。

翔くん僕を許して。そしてあの時はありがとう。」

翔「大野くん。頭をあげて。僕が隠して来たら悪いんだ。

謝るのは僕。本当にごめんなさい。

僕も…ありがとう。」

2人は固く握手した。