僕らの場所 (ページ31)

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翔side ページ31

潤「あの、もう1つ頼みたいことが。」

翔「何ですか？」

潤「これを…預かって…もらえませんか」

松本くんは紫に光る石を僕に差し出した。

翔「これは？」

潤「僕の大切なものです。預かってください。そしてあなたは何があっても死なないでください。それと2人には内緒にしてください。」

それまで息を切らしながら話していた松本くんがこの時だけやけにはっきりと話していたのが記憶に残っている。

二宮くんが身じろぎをしたのに気付いた松本くんは二宮くんに近づいた。

潤「ニノ、大丈夫か？」

二宮くんは小さく頷いた。

和「潤くんは？」

潤「俺は大丈夫だよ。…今からお前らの怪我も直してやるからあの人と一緒に安全な場所で待ってろよ。」

和「…え？…どこ行くの？」

潤「心配すんな。リーダーはまだ気が付いてないからお前が見とけよ。」

二宮くんは頷く。

松本くんはゆっくり二宮くんを地面に横たわらせると1度二宮くんの頭を撫でた。

潤「じゃあな。」

そして松本くんは先ほどよりも幾分しっかりした足取りで山の方へと歩き出した。

僕はその後姿が見えなくなるまで見ていた。

なぜか目を離せなかった。

さっきのもらった石は光を放っているがどんな意味が込められているかなど知る由もなく、僕の掌の中でただ綺麗に光っていた。