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先生は何も言わなかった。
ちらりと見上げると先生の顔は曇っていた。片目しか見えないが複雑そうな顔だ。そりゃ前回の比じゃない被害って聞けば嫌な予感もするだろう。
私は務めて明るく笑いながらどんと自分の胸を叩いた。
『お任せくださいな、この日のために色々布石は打ってますから!
..誰も死なせやしません。絶対に、です!』
誰も死なせるつもりは無い。火影様はもちろん、暗部の人も、忍のひとも、一般人も。
手の届く範囲にいる人の命はまるっと救う。私が後悔しないために。
カカシ先生はひと目こちらを見た。それとほぼ同時に脳天に強い衝撃が走る。
『ッッッ痛!チョップしました今!?』
「俺が心配してんのはそこじゃないのよこの鈍感娘」
『エッ』
「波の国で俺が言ったこともう忘れたわけ?」
波の国で言われたこと...あ。
_________ 人間万能じゃないんだから一人で出来ることには限りがあるの。人を頼ることを覚えろって前も言ったでしょ。
_________とにかくことを起こす前には報連相。勝手に死にに行かれると守るものも守れないからね。
『...思い返せばあれめっちゃ熱烈な告白じゃん...?先生って私が思ってるより私の事好きだったりします?』
「口で言っても理解できないなら首輪にリードでもつけてあげようか」
『えっご褒美』
「
『嘘ですごめんなさい、ちゃんと事を起こす前には報連相します』
「よろしい」
そうこう言っているうちに火影塔が見えてきた。そろそろ下に降りて入口に...いやでもめんどくさいな。手続きとか多分いるでしょコレ。しかもこれ真っ直ぐ行けば火影様の執務室だし。
『...いいや。やっちゃえ○産!!!!!』
「!?」
ダッとスピードを上げながら屋根を飛び超え、平坦な建物の屋上を開け抜ける。
よっしあと3歩だ。タンタンタンとリズム良く助走をつけて執務室のある部屋まで飛び上がる。
『...ヤベ、窓閉まって...』
...ここでひとつ言い訳をさせてくれ。私はあくまで火影室の窓が開いていることを想定してこの行動に出た。つまりどこぞの怪盗キッ○のように窓枠に優雅に降り立って侵入することを想定していたわけで、最初からこの行動をしようとしてしたわけじゃない。
_________ドンガラガッシャーン。
漫画のような音を立てて、私は人生最初でおそらく最後の窓ダイブを決行したのであった。
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明里香(プロフ) - 10話、怒るじゃなくて、起こるです。 (3月15日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
漫画派 - す、す、好き!!!!!!好きです!!!書き方とか戦うところの表現とかとにかく上手で一気見しました!!!!今後の展開楽しみです!!更新を正座待機してます。頑張って下さい!!! (2022年1月27日 11時) (レス) id: 2c2ebd119b (このIDを非表示/違反報告)
腐腐腐 - え、最高www更新頑張ってください! (2022年1月27日 0時) (レス) @page50 id: c7cac8184e (このIDを非表示/違反報告)
緋翠風香(プロフ) - すっっっごく好きです!!!夢主ちゃんの性格も内容も大好きです!!(語彙力)1番好きなお話はカカシ先生の股下の回でした...。更新待ってます! (2021年12月18日 19時) (レス) @page34 id: 19c3c06a9d (このIDを非表示/違反報告)
マリイ(七海建人の嫁) - BORUTOのジゲン(イッシキ)の小説見たいです 他の人には原作通りだけど夢主には甘いイッシキ見たい (2021年11月29日 22時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宙 | 作成日時:2021年10月6日 9時