彼氏にするなら ページ8
「結局こうなっちゃったッスね」
向かいの席でカフェオレを飲みながら、苦笑いを浮かべる涼太くん。
「ごめん…なんだか歩く気になれなくて…」
「まぁ、いきなり押しかけた俺も悪いんで」
それと…っと涼太くんが聞きづらそうに口を開く。
「さっきの…霧崎第一の花宮真サン…ッスよね?」
「……………まぁ…そんなとこかな。うちの隣に住んでるの」
「…えぇっ?!てことは俺の家も近すぎッスよ!」
逆に、なんで今まで気づかなかったのか不思議だ。
まぁ、涼太くんは学校都外だし…登校時間も合わないから仕方ないのかな。
「………………いい噂聞かないでしょ、アイツ」
「え、あ…まぁ………一回試合見たことあるッスけど、気持ちのいいプレーではないッスね」
花宮くんのことは好きじゃないけど…
やっぱり自分の学校の部活が良く見られてないっていうのは悲しいことだな。
「………Aちゃんは、あーいうのがタイプなんスか?」
「っ…?!」
あまりの言動に、思わず飲んでいたメロンソーダを吹き出しそうになった。
「なっ…なんでそうなるのよ?!」
「え?だってAちゃん、花宮サンの名前出したら百面相になるんスもん」
ひゃ、百面相…?
私そんなに顔変わってるかな……?
「違うから!あんなの絶対ないから!」
「ふーん…?じゃあ彼氏にするなら、どんな男がいいんスか?」
「えぇ…」
そんなの今まで考えたこともなかったな…。
「とりあえず、花宮くんと真逆の人がいいな。優しくて、誠実な人」
そう言った瞬間、俺じゃないッスかー!なんて騒いでた涼太くん。
それはないから安心して。
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ここあ。 | 作成日時:2015年1月17日 13時