最悪のタイミング ページ7
「ねっ、ねぇ涼太くんっ…」
「ん?なんスか?」
「いとこなんてっ…言って良かったの…?」
嘘なのに…そう呟くと、涼太くんはにこりと笑って
「彼女じゃないってわかれば、あの子たちも安心するから」
Aちゃんに危害を加えないため、なんて
優しすぎるよ。
「あ、それとも…」
涼太くんはスッと顔を近づけて
「彼女って言ってほしかったッスか?」
「っ…!」
優しい笑顔ずるい。
イケメンなのずるい。
「そんなわけないじゃん…」
「ははっ、じょーだんッスよ。さーて、どこ行こっか?」
「マジバ…」
「えー?またッスか?」
そう言って笑う涼太くんの向こう側に、見たくないものが見えた。
「うそでしょ」
まさかこのタイミングで…?
「…あ?」
その人物は私を見て、その次に涼太くんを見て
いつもの作り笑いを浮かべた。
「あれ?海常高校の黄瀬涼太くんじゃないか」
相変わらず、気にくわない。
「えー…っと……確か霧崎第一の…」
「涼太くん、いいから行こう」
極力関わりたくないっていうか…なんとなく2人を接触させちゃいけない気がする。
「いーのかなぁ、有名モデルがこんなところで女の子とデートなんて」
「やめて」
精一杯睨んだつもりだけど、たぶん効いてない。
「行こ」
涼太くんの手を引いて、できる限り遠くへ。
気づけばマジバ付近まで来ていた。
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作者名:ここあ。 | 作成日時:2015年1月17日 13時