ショートケーキ戦争 ページ1
「兄、腹減った。なんかくれ」
「やけに唐突だな妹よ。煎餅でいいか？」
「そこのショートケーキがいい」
「明確な欲しいものがあるじゃねぇかよ嘘つくな」
「騙される方が悪いんだろ」
「完全に悪役の台詞じゃんかよ。妹は探偵じゃなかったのかよ」
「探偵じゃねぇし。探偵の妹ってだけだし。ただの女子中学生だし」
「ただの女子中学生が事件現場に来れる訳ねぇんだよ」
「それは兄の仕事という名目にあやかって……」
「あやかってるというより、利用しているんじゃねぇのこれ」
「そろそろこの不毛な会話やめよ？ショートケーキが溶けちゃう」
「始めたのはどこのどいつだ。ショートケーキは溶けねぇしそもそも妹のケーキじゃねぇ」
「え、私のケーキじゃなきゃ誰のケーキだって言うのよ」
「僕のケーキに決まってるだろうが。僕を人数から外すなよ」
「兄は探偵じゃなかったのかよ」
「一応探偵だし今はケーキと関係ねぇ」
「関係ないからって逃げちゃいけないんだぞ、兄よ」
「うるせぇ、ちっとは静かにしろ」
「ぎゃあああああああっす」
「よろしいでは二度と口を聞けぬようにしてやるわ」
「ケーキをくれたら黙ります」
「急に本題に戻すな」
「こんなんで気後れしていては駄目だなぁ兄……兄もまだまだだね」
「急に本来のキャラ取り戻すのやめようか妹？」
「まさか…あなたはこの哀れな中学生を救わないとでも……？」
「渡すつもりなんてさらさらないから黙ろうね」
「…よろしい、ならば戦争だ」
「戦争と言う割にはじゃんけんだなんてな」
「戦争はしちゃいけない」
「いや、全くもってその通りなんだけどこの文脈で言うか？」
「はいじゃーんけーん」
「おいおいおい、まあいいや。ぽい」
「なっ………んだと……」
「あいこだから、オーバーリアクションやめい」
「あーいこーで」
「ぽい」
「………負けた…」
「あいこです」
「しょっしょーで」
「しょ」
「ま………」
「けてません」
The END
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ちなみに、こんなじゃんけんが四六時中続き…
「……あのさぁ、ケーキ溶けてるよ？」
「「は？」」
勝手に家にあがりこんできた神崎さんの声に二人の声は重なって。
「あ、そう言えばこれ、アイスケーキだったんだﾃﾍﾍﾟﾛ★」
「兄、許すマジ」
「きゃあああああっ、神崎さん助けてえええええええ(棒)」
「え、ちょ、こっち来ないで京くん？！いやあああああっ(断末魔)」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
