34*洸希side ページ7
洸希side
俺は一体何をしているんだろう。
和哉とAが仲違いして
それを助けるために手を差し伸べて
でも本当は、自分のいいように利用するためで。
…はぁ、本当に馬鹿だ。
今更、遅いのに。
和哉から、Aを奪えるわけがないのに。
冷静に考えてみれば
親のいる子を攫う誘拐犯と同じことをしようとしていたんだ。
まあ俺にとっての誘拐犯は和哉だけど。
挙句の果てに楽にまで当たって。
ほんと、何やってんだ。
わかってんだよ、頭では。
でもどうしても体が言うことを聞かなくて
思ってることと反対の言葉が出てきてしまう。
楽ごめん。
怖かったよな、急に胸ぐら掴まれて
その上怒鳴られまでして。
お前は何も悪くないのに。
事が丸く収まるように、善処してくれてるだけなのに。
俺もう、Aに合わせる顔がねえよ…
そんな時にふと聞こえたラインの通知音。
見てみれば、相手は愛しい君だった。
「…ごめん、私やっぱり和哉が好き。
洸希には、これからも友達でいて欲しい。」
…俺が、これで納得できればよかったんだけどな。
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作者名:咲希(ソヨン) | 作者ホームページ:
作成日時:2019年3月26日 13時