【エグゼイド】もしも願いが叶うなら４

最終問題 ページ23

｢九条貴利矢‥君は彼女をクリアする気はあるのか？｣

珈琲を飲みながら黎斗がいきなり切り出した。
シロの入れてくれた珈琲に砂糖とミルクを入れていた自分は思わず砂糖を落としてしまう。

｢うぉっと！なんだよいきなり！｣

慌てて机の上を拭くが動揺は隠し切れていない。

｢君だって彼女がクリア出来ないと苦しむ事になるのは分かっているだろう？｣

‥そう、バグスターとなった自分達は必ず１度はゲームをクリアしておかないと暴走する可能性が高くなる。
黎斗はその事を言っているのだ。

｢分かってるよ‥分かってるさ。でも、Aちゃんのクリア条件は‥｣

『良いんです！私なら大丈夫ですって！暴走とかしても‥ほら、あんまり強くないだろうし‥』

さっきまでシロとお茶菓子を持ちに行っていたAがいつの間にか後ろに立っていた。

｢Aちゃん‥｣

『もぉ！貴利矢さんまでそんな顔しないで下さいよぉ！私は大丈夫ですって！』

そう言って笑うAが自分にはとても辛かった。







｢おい、神。ちょっといいか？｣

シロとAがいない隙に神に確認したいことがあった。
２人が出掛けた隙に尋ねる。

｢‥暴走しなくなる方法とか‥ないよな？｣

｢‥クリアする以外ない｣

質問を予想していたのか即答だった。
分かってはいたけど‥他に方法がないとなると本気で辛い。

｢‥じゃあ、暴走しないって事は？｣

｢それも‥ほぼないだろう｣

｢‥だよなぁ｣

思わず頭を抱える。
Aが暴走したらどうなるのか‥考えたくもなかった。

CRは暴走者を止めるためにある。
止め方はそれぞれだが、殆どが痛めつけてから捕獲してゲームオーバーにする。
たまに永夢がゲームしてクリアさせるが‥今回はどちらも出来ないし、したくない。

クリアしなければいけないのは分かっていたが、Aの場合はクリアしたくないというのが本音だった。








仕事も終わり２人で家に帰る。
そんな時間も何だか久し振りな気がしていた。

さっきまで悩んでいたけどそんな事ばかり考えていても仕方ない。
とりあえず今を楽しもうと無理矢理前向きに考えていた。

２人で笑いながら夕飯を食べる。

そんな事に幸せを感じていた。
この時間は壊したくない。壊せない。

やはり何とかして暴走を止める方法を探そう。

そう決心した時‥

『貴利矢さん。ちょっとお話しできますか？』

Aがビール片手に話し掛けてきた。


『お願いがあるんです。貴利矢さんにしか頼めない事が』

条件は→←とりあえず終息

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