短編集『恋日記。』【Ｎ】 (ページ26)

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【唇にダイヤモンド】-01- ページ26

休みの日に外に出かけるようなタイプではない。

オフの日は、朝からゲームをしているのも珍しくはない。

「…楽しそうね。」

「うん？」

耳を撫でた綺麗な音に顔を上げてみると、

洗濯物を畳みながら歌ってる彼女が居た。

「最近ずっとそれ歌ってんね。」

「うん、好きだから。」

「ふーん。」

最近デビューした後輩たちの歌だ。

「この曲めっちゃいいから。」と、確か潤くんも言っていた。

「可愛い歌ですよね、きゅんとします。」

「へぇ。」

『だけどやっぱりいざとなると帰したくない』

この部分がきゅんとするらしく、彼女のお気に入りらしい。

「みんな綺麗な顔してますよねぇ。」

「·····。」

「きみはーシンデレラガール、」

「·····。」

いい曲というのは勿論認めるし、

彼女が気に入って口ずさんでいるのだって別に何の問題もない。

何の問題もないけれど。

―――……正直なところ、つまらない。

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