Letter15 ページ15
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ころちゃんを振り、るぅちゃんを選ぶと決めた私。
でもるぅちゃんと結婚だなんて本気で考えていなかった。
そう言っておいて親を安心させたかっただけ。
ただの口先だけの言葉だ。
るぅちゃんも本気にしてないと思ってた。
だって後どれだけ生きられるか分からない、ましてや余命宣告されてる女と結婚したいだなんて、誰も思うわけないじゃん。
子供を産めないのは勿論だけれどそれだけじゃない。
私自身が生きられない。
悲しみなのか何なのか分からない。
諦め？
私は複雑な感情のまま家を出た。
｢どこいくの？｣
『…ちょっと友達と』
｢気をつけてね！｣
ごめんころちゃん。
私は今から浮気しに行くの。
勿論こんなの不本意だよ。
できることならずっと貴方と生きていたかった。
でもそんな女々しいこと言ってられない状態なの、
私は。
私はなんでどうして心も身体も強く生まれてこなかったのだろう。
どうしてこんなに儚くて脆いのか。
｢Aって桜に似てるよね！｣
誰だっけ、幼い頃に私のことをそう評価した人は。
お父さんだっけ、お母さんだっけ。
…本当に私もそう思う。
桜のように儚く散っていくの。私の命は。
似ている。憎いほど似ている。
…唯一似ていないのは、私は桜ほどしぶとく、美しく咲けない所かな。
『お待たせ』
改札をくぐるといつもと違う男性の名を呼ぶ。
｢A！｣
ごめんなさい、るぅちゃん。
私の親を安心させる為のモノにしちゃって。
このせいでるぅちゃんが私の消えた先の人生で結婚できなかったらどうしよう。
考えても仕方のないことだけが頭を巡る。
あぁダメだ。ここ最近の私みんなに迷惑掛けまくり。
生きてたってこんなんじゃ死んだ方がマシ。
いっその事早く殺して欲しい…。
｢ほら、行きますよ？気晴らし！気分転換！｣
その思いは優しすぎた幼馴染、
るぅちゃんによって取り消されてしまう。
『…うん！』
生きてるだけで罪を背負っているような感覚。
これ以上酷くなる前に私が死ぬ事だけがその罪を償う方法であること。
私は自分の命を呆気なく断つ方法をずっと前から心得ていた。
次の春が来たら、その方法でサヨナラしよう。
優しく繋がれた右手は、私の体温と彼の体温を交差する。
私が死ぬまで、あと X 日
私しか知らない私だけのカウントダウンが始まった。
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mei - 何年経ってもこの小説が素敵すぎて読みに来てしまいます｡3人それぞれの視点で読み返してみるとより深く考えさせられます｡1つのお話として本当に素晴らしい作品だと思います｡これを元に書籍化して欲しいくらいです｡颯桜さんの書く素敵な物語に出会えて良かったです｡ (4月1日 3時) (
レス) @page49 id: ece57623d6 (このIDを非表示/違反報告)
颯桜(プロフ) - イチゴジャム･.｡*･.｡*さん» 素敵なコメントありがとうございます・・・！大変光栄です。 (2022年2月21日 20時) (レス) id: 86b77a05e2 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴジャム･.｡*･.｡*(プロフ) - 小説、占ツクが好きになったのはこのお話がきっかけです。読んだのは結構前ですが、素敵な作品をどうもありがとう…！ (2022年2月20日 12時) (レス) @page49 id: 3017e9e097 (このIDを非表示/違反報告)
颯桜(プロフ) - 凛月さん» 凛月さん！素敵なコメントをありがとうございます。元から文を書くことが好きで趣味程度に始めた創作ですがこのように誰かの心の中に残るようなものを残せてとても誇らしく思います。これからもどうかよろしくお願いいたします。(私も凛月さんの作品好きです。) (2022年2月8日 0時) (レス) id: 86b77a05e2 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - この作品を読んだのは随分と前のことなのに、今でも無性に読みたくなって、何度も戻って来てしまいます。占ツク外も含め、私が今まで読んできた小説全ての中で1番好きな作品です。本当に素敵な作品をありがとうございます。 (2022年2月7日 0時) (レス) @page49 id: 80b1d18970 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：颯桜 | 作成日時：2020年3月1日 20時
