Letter14 ページ14
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『ころちゃん』
私はるぅとくんに相談をして心が軽くなっていた。
いつからだろう。
私はころちゃんの彼女になるべきではないと感じだしたのは。
「…何」
あぁ。私が貴方に当たったせいだ。
今度は君が私に冷たくするんだ。
────いいよそれで。構わない。
私の事なんかさっさと忘れて新しい恋へ歩んでよ。
…もう時期私は君と一緒にいられなくなる。
『ご飯出来たよ』
「分かった」
口ではそう言うものの一向にテーブルには来ない。
『初恋もここで終わりかぁ』
私は彼に聞こえないようにつぶやく。
もう私はころちゃんから愛を貰えないんだ。
愛して貰えない。
そう気づいた時涙が溢れて止まらなかった。
「…なんで泣いてるの」
私の泣き声に気付いた彼は私の傍に来た。
泣かないと彼は私の元に撚ってこないの?
『…っ私』
病気のことを打ちあけようか血迷った。
今ここで言ってしまったら楽になれるかもしれない。
でも私が楽になる代わりに彼は悲しみ苦しむだろう。
一瞬口から出かけた言葉を飲み込む。
その時私のスマホがなる。
るぅちゃんからだ。
彼からの通知で私は少し救われる。
「…え、るぅとくん?」
「何、浮気?最近僕に対して素っ気ないのもそういう事だったの?」
『…違っ』
口を開けばそこを狙ってキスを落とされる。
────────なんだ。
まだ私ちゃんところちゃんに愛されてんじゃん。
『ころちゃっ!苦し…』
彼の胸元を叩けばすんなり離れてくれた。
「お願いっ!僕には隠し事しないで…?」
うるうるした瞳に吸い込まれそう。
あぁ。
やっぱり私に彼は勿体ないんだ。
『…ごめんね』
その日私たちは貪るように愛を確かめあった。
…隣で光る私のケータイは
明日るぅとくんに
為の予定が綴られていた。
そう。私はこれを以て
ころちゃんとの恋を断念することに決めました。
親は病気を知る幼馴染のるぅちゃんと結婚した方が
安心だと言いました。
るぅちゃんはどんな私でも…例え荒れ狂った私でも受け止めると言いました。
ころちゃんは、嘘をつかないで、頼って欲しい、と言いました。
医者はとにかく安静にしろ、この精神変化を乗り越えれば確実に良い方に進むからと言いました。
…私は?
私はなんて言ってるの。
分からない。
ただ、もう私は限界で。
──────ただひたすらに死にたかった。
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mei - 何年経ってもこの小説が素敵すぎて読みに来てしまいます。3人それぞれの視点で読み返してみるとより深く考えさせられます。1つのお話として本当に素晴らしい作品だと思います。これを元に書籍化して欲しいくらいです。颯桜さんの書く素敵な物語に出会えて良かったです。 (4月1日 3時) (レス) @page49 id: ece57623d6 (このIDを非表示/違反報告)
颯桜(プロフ) - イチゴジャム・.。*・.。*さん» 素敵なコメントありがとうございます・・・!大変光栄です。 (2022年2月21日 20時) (レス) id: 86b77a05e2 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴジャム・.。*・.。*(プロフ) - 小説、占ツクが好きになったのはこのお話がきっかけです。読んだのは結構前ですが、素敵な作品をどうもありがとう…! (2022年2月20日 12時) (レス) @page49 id: 3017e9e097 (このIDを非表示/違反報告)
颯桜(プロフ) - 凛月さん» 凛月さん!素敵なコメントをありがとうございます。元から文を書くことが好きで趣味程度に始めた創作ですがこのように誰かの心の中に残るようなものを残せてとても誇らしく思います。これからもどうかよろしくお願いいたします。(私も凛月さんの作品好きです。) (2022年2月8日 0時) (レス) id: 86b77a05e2 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - この作品を読んだのは随分と前のことなのに、今でも無性に読みたくなって、何度も戻って来てしまいます。占ツク外も含め、私が今まで読んできた小説全ての中で1番好きな作品です。本当に素敵な作品をありがとうございます。 (2022年2月7日 0時) (レス) @page49 id: 80b1d18970 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:颯桜 | 作成日時:2020年3月1日 20時