恋レシピ〜How to make LOVE?〜No.1

大盛りひとつ ページ9

コイツは何を言い出すんだ……！


仮にも初対面の、どこの誰だか分かんない人に普通頼むか？！


なんて言えもしないでニコニコとして、そうだね、と言った。




横「どんな料理を作れるの？」




渉は俺の思いと裏腹に、そんなことを聞き出した。




A「何でも出来ますけど……取り合えず、和洋中はいけます」




横「うわ！マジで魅力的！！あったかい料理出てきたら最高じゃね？！ね、太輔！！」




藤「あ、あぁ……そうだなぁ……」




そりゃあ、熱々の料理が出てきたら最高だけど。


でも、知り合いでもなんでもない人に作ってもらうっていうのが引っ掛かる。




A「でも、私……本業があるので」




そうだよ。


本職の仕事放ってやるワケにいかない。




藤「そうだよなぁ……それなら仕方ない……」




横「じゃ休みの日はいつなの？」




話が終わる筈だったのに、渉はくらい下がっている。


もういいだろ、と言おうとした時だった。




玉「お疲れー」




フラリとタマがやって来て、大盛ひとつ、と注文してから彼女の隣に座った。




玉「んで、何の話？」




俺たちと同じく身を寄せて、トイレにでも立っていたかのような雰囲気を醸し出している。




藤「なんだよ急に」




横「撮影終わったの？」




玉「ん。偶然見掛けたから……こちらは？」




隣の彼女のことにチラリと視線を落として言った。




A「あ、あの……私、Aって言います。宜しくお願いします」




A？Aっていうんだ。


俺たちにもしてなかった自己紹介を丁寧にしてから、モジモジとしながら下を向いた。


心なしか、顔も赤らんでいるようにも思える。

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