恋レシピ〜How to make LOVE?〜No.1

イイコト ページ8

ヒット？！


かと思いきや……




A「モデルさんでしょう？！そーだ！顔立ちだって綺麗だし、その高そうな時計も協賛とかで貰った物なんでしょ？！違う？？！」




藤「ちげーし」




横「いやー、モデルほどそんな背高くないでしょ俺ら！」




当てが外れてガッカリ……な顔。


良く見ると、さっきはしてあったはずの化粧がすっかり落ちていて、素っぴんに近い顔が何だか少し幼い。




藤「そっちは仕事何してるの？」




ただ、純粋に気になったから。


こんな時間に素っぴんで牛丼を食らう女なんて、そうは居ないし。


彼女はどんぶりを左手に持ちながら、残り少しを掻き込みながら言った。




A「調理師」




意外な答えが返ってきて、少し驚いた。




横「へぇ！スゴいじゃん！！」




藤「どんな料理作ってんの？」




A「んー……創作料理？居酒屋なんだけど、メニューとか考えて……」




……すげー。


全く触れたことのない職種の人だからか、小さな感動を覚えた。


こんな時間に牛丼食ってる女、なんて思って悪かったなと反省をする。


だって、素っぴんになるくらい汗をかいて頑張って、そのせいでお腹を空かせて牛丼を食べてるんだと思ったら……


ちょっと、いや、かなりカッコ良く見えてくる。


働く女って感じ。




横「あっ！いいこと思い付いた！！」




藤「いいこと？」




渉の"イイコト"に反応した俺。




横「週末！アレあるじゃん！！」




渉の言うアレとは、ちょっとしたパーティー。


メンバー内で催す飲み会のようなもの。


ただ、飲んで食べて騒いで……。


仲が良い証拠の親睦会みたいなもんだ。


毎回ひとり暮らしの家でやっていて、次回は俺の家が会場ということになっている。




藤「アレがなに？」




横「飯作ってもらわない？！いつもピザとか持ち寄りのデリばっかじゃん！なーんか味気ないっつーか？」

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