恋レシピ〜How to make LOVE?〜No.1

画面の中の王子様 ページ33

Aside


横尾さんの、ちょっと気になってた発言に、胸が飛び上がる、


あれって告白？


違うよね、ちょっとだけって言ってたし。


自惚れないように、そう自分自身に言い聞かせた。


部屋に入ると、さっきの微妙な空気が嘘のように盛り上がっている。




横「……あ」




横尾さんが見つめている先にはテレビ。




千「この時のニカさ、コケそうになってない？！」




二「それ言うなら、もう少しで宮っちが振り間違うし」




宮「それはゆーなよぉ！」




何かのDVDを観ているようで、みんな画面に釘付けになっている。


さっきの場所には何となく戻りづらいな……


そう思ってると、横尾さんが声を掛けてくれた。




横「ここ座れば？」




隣をポンポンと叩いて、座るよう促してくれて。


本当に良く気が効いて、優しい人。




A「お邪魔します……皆で何観てるんですか？」




横「うーん……何だろうね？」




困ったように言った横尾さんの横顔と、画面にデカデカと映った藤ヶ谷君の顔が二重になった。




A「……えっ……？！」




思わず口に出して立ち上がると、皆が私を見上げた。




玉「どしたの？」




王子様が顔を傾げて言った。


ちょうどテレビにも王子様が、今以上に王子様みたいな雰囲気で映っている。


何も言えなくて……


画面と此処に座る皆の顔を見比べるのに必死だった。

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