恋レシピ〜How to make LOVE?〜No.1

邪魔者 ページ14

横尾side



牛丼屋さんで出逢った、太輔の知り合い？のAちゃん。


料理が好きなのが伺える目で、芯のありそうな素敵な女の子。


恥ずかしげもなく牛丼をかき込む姿と、化粧っ気のない顔が俺の中の何かをくすぐって。


彼女をもっと知りたいと思ったから、買い物のお供に立候補した。


なのに……邪魔が入るとは。




横「茶碗蒸しの他に、なに作ってくれんの？」




近くのスーパーに向かう途中。


午後一時の陽射しが心地よく感じて、思わず隣にいる彼女の紅葉みたいな掌に手を伸ばしてしまった。




……っと……危ない、危ない。




Aちゃんの向こうには、太輔がつまんなそうに遠くを見つめている。




A「んー……お楽しみです！」




そんな回答も可愛らしくて、思わず笑みが溢れてしまった。


上機嫌の彼女の横顔を盗み見る。


真っ直ぐと前を見据えた凛とした姿に、ドキンと胸が鳴り出してしまって。


この気持ちが気のせいなんかじゃないって証明してる。




藤「あ、ここ」




徒歩圏内のスーパーに到着すると、彼女が持ち上げたカゴを奪ってカートに乗せた。




A「ありがとうございます」




横「うん」




A「野菜から回りますね」




彼女に付き合って肩を並べてカートを押してると、太輔がいないことに気が付いた。


キョロキョロと見渡してみるけどいない。




……ま、いっか。




子どもじゃないんだし、放っておこう。


しかも、こんな新婚さんみたいなシチュエーションまずないし。

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