【黒バス】 キミの恋心にクチヅケを。 【高尾和成/伊月俊】

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貴方side





次の日







昨日は眠れなかったもので、目の下に隈を抱えながら通学路をとぼとぼ歩く。




まだ仮入部期間だから一年生に朝練はない。







・









・








結局、私がどうしたいかなんてわかんなくて。







バスケ部に和成がいるから、



まだ繋がっていたいから誠凛バスケ部に入りたいのか、








伊月先輩に誘われたから入りたいのか。








それとも、バスケ部に興味なくてなんとなくで入るのか。









でも、その理由のどれかを選んだとしても、浅はかすぎて却下されるに決まってる。





だから……もう、わかんなくて。









こんなとき、君だったらどうするんだろう。





思い浮かぶのは君の顔。








頼っちゃダメなのに。





なんで君に頼りたくて堪らなくなっちゃうんだろう。







『俺たちに隠し事とか無しだからな！なんかあったら絶対俺に言えよ！』









……これは昔の話。




…………そう、昔の話。







君はきっとその言葉を別の人に言っているんだ。








私は今もただの幼馴染み。





もう、何回も顔を会わせないであろう幼馴染み。









…………なんでだろ、







瞼が熱い。





視界がボヤける。









泣いちゃダメだってわかってる。





こんなんで泣いてちゃ、前に進めない。







淋しいだけで、泣いちゃダメ。





もう、頼れないってわかったからって、泣いちゃダメだよ。







必死に涙がでないように、零れないように、





必死に上を向いた。








でも、上を向いたって、涙は止まらなくて、







今の私には誰かに見られてもいいように、奥歯を噛み締めて堪えるしか為す術はなかった。








それは、私には誰かに頼るしかないんだ、


私は弱いから、





と、私の中の誰かに言われているようで。







余計、辛くなった。

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