『男主』史上最強の猫被り3 【あんスタ】 (ページ32)

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鳴｢で？なんで元気ないのか聞いてもいいかしら｣

本題よ？と笑いかけられ逃げたくなったけど手のひらを握り締めるとぼくは口を開いた

、

、

鳴上side

｢この髪、どう思いますか？｣

鳴｢え？綺麗だと思うわ｣

影｢おん、真っ白で純粋で、天使みたいや。｣

その言葉を聞いた彼は悲しそうに笑った

｢これは、ぼくが誰にも必要とされてなかったっていう証なんです｣

え？

｢小さい頃、とは言っても記憶はないんですけど
産まれたばかりの頃お母さんが家を出て行って。

本当の理由は知りませんけど、お父さんの家を継ぐ現実、プレッシャーに耐えきれなかったこと、そしてほかの男性と恋に落ち逃げ出したと聞いています。｣

鳴｢！！｣

｢母親のいない僕、そして母に似たぼくを見て父は僕の存在を許せる訳もなく家には新しい母を迎え入れ僕はマンションに軟禁されました。

たった1人の使用人と2人きりで、父から使用人は僕と口を聞くことを禁止してましたからぼくはいないようなもので

一人ぼっちの世界、不要とされた存在

いつの間にか髪の毛も真っ白になっていて、きっと誰にも愛されず誰とも関わらずに生きていくって思ってました｣

そんなことがあったなんて知らない

いつも無邪気に微笑み天使みたいに慈愛に満ちた優しい男の子だと思っていた

みんなに無償の愛を注ぐのは彼が愛されていきていたからだとも思っていた

しかし違った

彼は愛されてなんかなかった

存在さえ否定されていた

なのになんでこんなに優しく出来るのだろう

なんで人を愛せるのだろう

｢この髪は綺麗って褒めてくれる人も居るのは分かる
でも、僕にとって両親に捨てられた証拠だから
tricksterの皆に素敵って褒められてそんなんじゃないよって悲しくなったんだ

きれいな感情だけじゃないもん

なんで愛してくれないんだろうとか、なんでダメなんだろうとか、なんで産まれてしまったんだろうとか
僕のせいで、お母さんもお父さんも苦しんで嫌な思いさせちゃったから｣

そう、泣きそうになりながらつぶやく彼はどこまでも優しくて、普通なら相手を攻めるのに自分ばかり攻めて

抱きしめたいと感じた

明｢未来！｣

体が動く前に、視界にオレンジが入ってくるまでは

｢す、スバルくん？！｣

そこにはtricksterの明星スバルがいた