『男主』史上最強の猫被り3 【あんスタ】 (ページ12)

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ぼくは上に行くページ12

side未来

司くんが帰った後、一人で引き出しを開いた

そこにはアルバムがあって、その一冊をとる

デビューしたての頃、人気がなかった僕たち

いや、僕だけが人気のないままセンターになった

ライブしたってきてくれる子は少なくて

でも、そんなぼくにもデビュー当時からの大切なファンはいた

二つ上のお姉さんみたいな彼女

真っ黒の髪の清楚な彼女は可愛いけど頭の中ぶっ飛んでて、アホなことするけどデビューの時からひたすら応援してくれていた大切な最古のヲタクだ。

センターで歌うからっていっつもセンターの最前列に来てみたり

チェキや握手会バカみたいに来てくれたり

センターだから一番売上がなくちゃ駄目だよね！なんて言って凄まじいほどCDも買ってくれた

まぁそんなことだけじゃなくて

それだけじゃなくて、僕の為に一番ライブ来てくれてたり、間違えた時怒ってくれたり

素敵な事があると誰より喜んでくれたり

彼女の一つ一つがとても嬉しかった

レターセットの便箋すべて使い切ったようなパンパンのファンレターの中に毎回入れられてる僕と撮ったチェキ

嬉しくて嬉しくて迷わずにアルバムにしまった

ファンのこは沢山いるけど、全て宝物で頑張ってたくさんの人を覚えた

一番なんかなくて皆が一番だった

だけど、この子は僕の色のサイリウムを初めて振ってくれたこで

初めて花束をくれた子

「ほんと、懐かしいなぁ」

今日、本物のアイドルと撮影して久しぶりに肌で本物を感じた

負けたくないって本気で感じた

明日は撮影ないけど、負けたくない

もっともっと上を目指したい

愛してくれる人たちに答えるために

沢山の人に歌を届けるために

、

、

、

「ブツブツブツブツ」

早朝7時未来は、家を出た

いつもよりシャンプーの匂いがするのは朝シャンのせいだ

所詮早朝ランニングをしたのだ

ライブをするには体力がいる。

身体は小さくて細くて、細いからモデルなどの仕事では苦労しなかったけどその分ライブでは体力がない事が致命的で

ツアーの時よくダウンしかけたものだ

そして現在イヤホン着用し、ブツブツと何か言っているのは周りから見たらあまりにも不審者な訳だ

イヤホンから流れる音は作った新曲のデモテープ

ブツブツと言っているのは問題点をメモしていたからだ

?「おや、何をしているんですか？」