『男主』史上最強の猫被り3 【あんスタ】 (ページ11)

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大切な花ページ11

「ごめんなさい遅くなっちゃって」

テーブルに並べられたのは煮物と焼き魚、味噌汁といった家庭の味のようなもので

朱桜「とても美味しそうです！たべても？」

「うん、どうぞ」

口に含めば、ほどよい味付けが口に広がる

朱桜「Marvelous！美味しいです！お兄さまは料理上手なのですね！」

「そんなことないよ！でも司くん来てくれてよかった、朝仕込みすぎてたから余るところだったの」

朱桜「そうだったのですね、良かったです！」

ぱくぱくと食べ進めるとお兄さまは嬉しそうにしていてこちらも幸せになる

朱桜「お兄さまの料理はうちのシェフにも引けを取りません！毎日食べたいくらいです！」

「！司くんってお昼どうしてるの？」

朱桜「お昼ですか？基本的に食堂で済ませますが」

「じゃぁ明日から司くんのぶんも作ろうか？」

その提案に目を丸くした

いま、なんて

朱桜「ほんとうですか？！で、ですがお兄さまのご迷惑になってしまいませんか？」

「一人分作るって難しくていつも余ってるから、司くんがよければ助けてほしいな」

朱桜「それならばもちろんおねがいします！お兄さま大好きです！」

ぱくぱくと食べ進め、ふと机に飾ってある花束に気がついた

朱桜「これは........？というかお兄さまの家は花が沢山飾られていますね？」

「あぁ、僕の事ずっと一番長く見てきてくれた子からのプレゼントかな？」

朱桜「え？」

「女の子なんだけどね、2つ年上で、綺麗な子なんだけど会いに来てくれる度に真っ白の薔薇をくれるんだ

それが嬉しくて捨てたくなくて、それを話したらブリザードフラワーをくれたの」

それを見て愛おしそうに、とても優しい目でいうお兄さまに息を飲んだ

こんなにも美しく笑えるなんて

それを向けられる人が羨ましかった

朱桜「ならば司はもっと素晴らしい花をお兄さまに差し上げられますよ！」

その人に張り合いたくて言った言葉にお兄さまは驚いて、そして困ったように笑った

「たしかに司くんから花を貰ったら嬉しいとおもう

でも、この花は、僕を支えてくれた花なんだ」

そこまで言われて思った

わたしは、お兄さまを何も知らないと

きっとこの花を送った彼女はお兄さまを私より知っている

私の知らないお兄さまを見てきている

少しだけ悔しさがこみ上げた