天才はいる ページ36
蓮巳side
ありきたりな答えにすこしガッカリした
俺たちのパフォーマンスを見る瞳はキラキラとしたファンのものではなくて、真剣なもので俺たちの動き一つ見逃さないという風だったため少し期待していた
それになにより、あの素人の転校生と雰囲気が違う気がしていたのだが彼からでたのはありきたりな答え
まぁその程度なら聞かなくても良いとおもいかえそうとしたときだった
「でも、すこし雑な気がします」
は?と彼をみんなが見るが彼は躊躇うことなくこたえた
「みなさんダンスにキレはあるし技術もあるんですけど、メリハリが足りないと思います
動きが滑らかなのはいいと思うんですけど、止めるところはキチンとすこし大袈裟に止めても大丈夫だと思うんです」
たとえば、音楽ならさせてください!といって音楽をかけ彼はあろうことか一度見ただけの俺たちのダンスを踊り出した
それも完璧に
「ここを、流すんじゃなくてとめてやると見せ場になりますし、メリハリがでてきます
あと、颯馬くんは先輩達を引き立てようとしてるのはわかるんですけど、もう少しポイントで主張しないと消えちゃいます。
鬼龍先輩はダイナミックさがあってすごくいいと思うんですけど、そのぶん雑に見えかねるところがあるので、指先に力を込めて揃えてあげるだけでも丁寧さが加わると思います
蓮巳先輩は扇の使い方が少し気になります、たぶんですけどこうやって勢いを付けてもいいかもしれないです」
こと細かく俺たちでさえ気が付かなかったことを的確に告げてくる彼に目が丸くなる
蓮巳「おまえはいったい........」
思わず何者だ?と聞きかけると彼はハっとし
「すみません!あの!生意気な事をいいましたぁ!!」
スライディング土下座をかます彼にみんなが固まりかけたが慌てて皆で起き上がらせる
鬼龍「いや何も悪いこと言ってないぞ?!」
蓮巳「そうだぞ、お前の意見は的確だ!あたまをあげろ!」
「で、ですが!生意気な事を!」
蓮巳「そんなことはない!ただ素人のはずのお前がプロみたいな発言をしたから驚いたわけでだな。やはり俺の見込み通りだったようだ」
鬼龍「あぁ、お前はもしかして芸能の勉強をしていたのか?
俺たちのダンスは簡単じゃねぇ、なのにお前は完璧にこなした。天才だな」
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作者名:ゆめの | 作成日時:2016年9月26日 22時