【銀魂】一生アンタの恋人*番外編*2

恋人53　『沖田勝ちルート12』 ページ8

公園の茂みに逃げ込み、
身を縮めて息を殺す。

荒い呼吸の代わりに肩が上下する。
緊張に体が強ばる。

総悟の呼吸と足音がすぐ近くでして、
さらにきゅ、と体を縮めて目を固く瞑った。

「何なんでィ…クソ」

苛立った口調で悪態をつく総悟。

___やばい。どうしよう。
怒ってる、凄く怒ってる。

これじゃもう後戻り出来ないじゃない。



しばらくして立ち去る音がし、
私は恐る恐る様子を確認しつつ、
ふう、と安堵の溜め息を吐いて茂みから這い出る。

これからどうしようか、
頭を悩ませてとぼとぼ歩いていると。

ファミレスの窓ガラスの向こう、
さっき私が吹っ飛ばした旦那と総悟が話している様子が見え、
心臓がどくん、と飛び跳ねる。

ふと、旦那が此方を見て目が合い、
私は泣きそうなくらい顔を歪めて慌てて走り出す。

___本当、どうしよう。
もう反省して欲しいなんて言ってる場合じゃない。

もう本当、これからずっと総悟と話せない。
気まずいし、絶対怒ってる。

「はあ…」



「あー、総一郎くんさ」
「旦那、総悟です」
「いや、今はどうでもいいから」

窓の外、もう今は誰もいない一ヶ所をじっと見つめる。
沖田くんが首をかしげる気配がした。

「何か思い当たる節とか無いの？
酷いことした、とか浮気した、とか」
「酷いこと…」
「何かしたの？」
「…花見の罰ゲームで、絶対服従をちょいと」

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