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#40 ページ7

美門side

「まずは確認だけど、涼川怜央、星宮学園1年、大手企業・LEONのCEO。
本名は涼川怜和、7年前に倒産した涼川グループの御曹司で、アーヤの幼馴染兼元婚約者。」


涼川は眉を上げた。


「さすがだね。こんな短期間でそこまで突き止めるなんて。
でも、一つ訂正。彩ちゃんの()じゃなくて、()婚約者ね。」



は?



そう思ったのは俺だけじゃないらしく、他のメンバーも固まっている。


「どういうことだ?」


「どういうこともなにも、僕は彩ちゃんの婚約者だってことだよ。そのまんま。」


涼川は、俺達のアーヤへの想いを知ってか、見下すように、不敵に笑う。


「・・・それは後で聞く。今は本題に入ろう。」


黒木が声を絞り出すように言った。


「そうそう。僕、忙しいんだよね。早くして?」


そして、俺達は打ち合わせどおりに、話し始める。


「俺達は取引がしたい。」


「取引?」


「そうだ。お前のせいでアーヤと俺達は今のような状況にある。
俺達はアーヤを取り戻したいんだ。」


若武がまっすぐ、涼川を見つめ、その言葉の後を上杉が引き継ぐ。


「取引の内容としては、俺達の邪魔をしないこと。
立花と話をすることと、それに成功して立花を取り戻せた後もな。」


「なんで?僕にメリットは有るの?今のところ、全く無いんだけど。」


黒木が上杉に代わって答える。


「アーヤは賢いから、お前が俺達に怪我をさせたことに、このままだとすぐに気づく。
アーヤは美門が怪我をしたことを知ってるんだしね。」


「何がいいたいの?」


「でも、アーヤと仲直りできたら、俺達がアーヤに他言しない限り、
お前のしたことはアーヤは知らないままだ。」


黒木がニヤリと笑うのと同時に、涼川は俺達を睨んだ。


「つまり、彩ちゃんに嫌われたくないなら、自分達の邪魔を一生するなってこと?
なにそれ、これが取引のつもりなの?脅しと変わらないじゃん。」



まあ、確かに。
でも、これが俺達KZのやり方だ。

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むっちゃん - 最後の方は涙が出そうなほど感動しました!! (2021年11月26日 0時) (レス) @page26 id: fa31dfe0b6 (このIDを非表示/違反報告)
リン - 完結おめでとう!!!!面白かったよ! (2021年11月7日 16時) (レス) @page26 id: a6b1297b7c (このIDを非表示/違反報告)
西浦香淋(プロフ) - とても面白いですね。 (2020年5月27日 20時) (レス) id: c350fd39bf (このIDを非表示/違反報告)
華菜原 舞衣 - お知らせ、悲しいけど、かんけつ、おめでとうございます。ほかの作品も、読んでみますね・・・。 (2020年5月26日 15時) (レス) id: 7aa09cf11b (このIDを非表示/違反報告)
ラプンツェル - 完結おめでとうございます。楽しみに読ませていただいておりました!ここまでお疲れ様でした! (2019年9月26日 14時) (レス) id: 9f8b861307 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りぃな | 作成日時:2019年9月1日 20時

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