喧騒 ページ36
「だいきにぃ！こっち来て！」
「どうした？…涼介、そんなにしてると落ちるぞ」
窓から身を乗り出して何処かを見ながら俺を呼ぶ。
そんなに見せたいものでもあるのかな。
「ねえだいきにぃ、あれケンカだよね？」
涼介が指を指す方を見ると…
家の門の前で男がケンカしていた。
「……見るな、涼介。侑李たちのところに行って」
俺が滅多に出さないような低い声を出したから、
ただ事じゃないと察したようでトコトコ走っていく。
俺は俺で宏ちゃんを呼び出す。
「どうしたの、大ちゃん」
「宏ちゃん…あれ……」
「……来たってことか…」
少し離れたところに半年ほど前に見た高級車……
涼介の父親の車が止まってる。
あの一件以来、いつ涼介に手を出されても
おかしくないと判断した俺たちは
協会に頼み込んで護衛を置いてもらっていた。
その人と、恐らく涼介の父親の部下であろう
スーツの男が争っている。
「…宏ちゃん、今は涼介に言わなくていいよね？」
「そうだな、たぶんまだ心の準備が……」
「お父さん……？」
突然聞こえた小さな声。
慌てて振り向くといなかったはずの涼介がいた。
「侑李たちのところに行ってって言ったろ？」
「ご、ごめんなさい…」
「涼介を怒んないであげて、ボクが連れてきたの」
察しのいい侑李のことだ。
たぶん父親に関することだって
気づいて連れてきたんだろう。
「涼介、気にしなくていいからあっちで
遊んでおいで？ここにいる限りは安全だから」
「…僕が、お父さんと話しちゃダメ？」
「でも涼介、それは……」
「お父さんだけに来てもらって、僕の話を
聞いてもらうの。お父さんのとこに行くよりかは
その方が安全だし……」
「…わかった、その代わり俺が一緒だぞ？」
「ありがとうだいきにぃ」
「大ちゃん、念の為雄也と慧も待機させとくから」
「助かるよ宏ちゃん」
「りょーちゃん……大丈夫？」
「無理しちゃダメだよ？」
「けーと、ゆーてぃー…僕もゆーりみたいにちゃんと
笑って戻ってくるから、ね？そんな顔しないで」
宏ちゃんが雄也と慧に話をしに行って、
ついでに涼介の父親を案内してくれるらしい。
「…だいきにぃ」
俺の強ばった手に小さくて暖かい手が触れる。
「お父さんに会うまで…僕の手、握ってて……」
やっぱり怖いんだ……そうだよな、でも……
「もちろんだよ涼介」
勇気を持って立ち向かおうとしている小さな勇者の手を強く握った。
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るち(プロフ) - 離音さん» お返事遅くなり申し訳ございません。貴重なご意見ありがとうございます。前向きに検討しようと思いますので今しばらくお待ちくださいませ (2021年2月3日 10時) (
レス) id: b87c1b1bc7 (このIDを非表示/違反報告)
離音(プロフ) - 続編見たいです！このお話大好きで、…とっても面白かったので^ ^でも、あくまで個人の意見なので…作者さまがやりたいと思ったらやればいいと思いますけど^ ^（上から目線ですみませんm(_ _)m） (2021年1月14日 17時) (レス) id: 1c102abba4 (このIDを非表示/違反報告)
るち(プロフ) - 愛ingJUMPさん» 裏で引っかかったことないんですけど……（笑）とりあえずそれを消して解除申請するしかないですね…… (2019年9月26日 6時) (レス) id: f268181383 (このIDを非表示/違反報告)
愛ingJUMP(プロフ) - るちさん» ねね、Rの解除ってどやってするん？（悟って笑）裏って言葉が原因ワードらしいけど裏って言葉を言い換えるにもわからんし…って迷っどったとこ笑 とりあえず更新だけしてる笑 (2019年9月25日 22時) (レス) id: 821ef3672a (このIDを非表示/違反報告)
るち(プロフ) - 愛ingJUMPさん» わー！お久しぶりです〜！もちろん覚えてますよ（笑）こちらこそこれからもよろしくお願いします！！ (2019年9月25日 20時) (レス) id: f268181383 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るち | 作成日時：2019年9月8日 14時
