【文スト】 名探偵ノ恋事情 【江戸川乱歩】

恋事情 26 ページ30

どうすればいい？

でも、あれだよね、

後から話すより、先に話した方がいいよね、

私の中で、そう意見がまとまったので、

少しずつ乱歩さんにちかずく。

今ならまだ大丈夫、まだ大丈夫、

心の中でそう思いながら、息を吸って乱歩さんに話しかけた。

『あの、乱歩さん……』

「………」

うっ、

無視………

こうなると、どうはなしかければいいか分からなくなり、

ずっと続きそうな沈黙が辛い、

そして、近所の方々の視線が痛い。

このままだと、絶対、いや確実に後日変な噂がたつ。

それは、それだけは、避けなければならない。

そう思い、乱歩さんの手を引っ張り、家へと入る。

中に入っても、沈黙は続く



気まずい……………



そう思っていると、沈黙を破るかのように乱歩さんが口を開く。

「ねぇ、Aは僕の彼女だよね、」

『はっ、はい、』

突然の質問に少し困惑する。

それに今更、何故こんな質問をするのだろうか、

「じゃあ、なんで太宰と一緒にいたの、」

『そっ、それは………』

答えようとして言葉に詰まる。

嘘は通じない。となると、正直に言うしかない。

『乱歩さんの嫉妬したところ見たかったんです。』

私はそう口にした。

この時の私は、後でとても後悔することになるとは、

思ってもいなかった。

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