138【授業中爆睡スタイル】 ページ10
お洒落なジャズとコーヒーの香り。
机の木のぬくもりを存分に感じながらたまに起き上がりアイスカフェオレを啜る。
「……ねえ、貴女此処に居て良いの?」
頭上から降ってきた声にゆっくりとした動作で頬を机に付けながら、目線だけで彼女を見上げる。
お盆を片手に呆れたような、心配しているような……?顔でこちらを見ていた。
はあ、と小さく息を吐く。ため息とも言う。
「……やる気がどう頑張っても出ない」
「朝からずっとそんな感じじゃない。もう十二時よ?」
ん〜、と何とも言えない声を上げて元の姿勢に戻る。
休み時間に机で寝るような姿勢。
というか私的には寮から出てる時点で大分成長した方なんだけど。
『__A、未だ寝ているのか?体調が悪いのは分かったが……』
『うるさい。体調悪くない。おやすみ』
『A、』
『サボる』
『ね、ねえ、Aちゃん大丈夫……』
『寝させて』
最初にこんな気分になった日から一週間経つけど、国木田の通話はほとんど出て直ぐ切っている。無視しても良いけどうるさいので。というか昨日は中島だったっけ。
今日になってやっと寮から出てその勢いでうずまきまで来たけど、身だしなみを整えるのめんどくさかったから髪も結んでないしパーカーの下寝間着だし。
「まあ今日はお客さんは少ないからお店的には良いけど。貴女もっと活発に動く方じゃ無かった?」
「……さあ」
顎の下でクッションのようにしていた左手でグラスを手繰り寄せストローに口を付ける。
すると突然、モンゴメリさんが私の左手を見て言った。
「あら、その手如何したの?」
「え?」
自分の左手を見ると、手の甲に大きな青痣が出来ていた。
何かしたっけ、と目線を上にやりぼんやりとした頭を回転させる。
「……あ、この前ちゃぶ台にぶつけたやつだ」
「貴女本当に大丈夫?」
机に突っ伏してたまにうとうとして、と特に意味の無い時間を過ごしていると、背後の入り口の方が何やら騒がしくなっているのが耳に入ってきた。
「ええと……久方振りだね。元気?」
……やけに聞き覚えのある声だ。詳しく言えば一日前にも聞いた気がする。
あとモンゴメリさんも何か話してる。
「温牛乳、砂糖入り」
「何?」
「注文」
また聞き覚えのある声。
「注文出すまでに思い出してないと本当に縊り殺すわよ!」
いい加減うるさいなあ、とようやく顔を上げる。
すると、入り口付近の座席に座っていた中島と鏡花ちゃんと私の目がしっかりと合った。
138.5【彼女は確かにトラウマを植え付けた】→←137【ちゃぶ台が倒れる勢いだった】
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アラモード(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (3月15日 19時) (レス) @page13 id: f9e6be770b (このIDを非表示/違反報告)
りんご飴(プロフ) - うたねのどあさん» わ〜いつもありがとうございます〜!!私も書いていて本当に楽しいです!わりとこの後手探りなので頑張りますね……! (1月18日 23時) (レス) @page10 id: 2b38128ef8 (このIDを非表示/違反報告)
うたねのどあ(プロフ) - 夢主ちゃんがメイン…!!お話の物語、展開とか本当に好きすぎます!!この先本当に楽しみです!!更新楽しみにお待ちしております!! (1月17日 23時) (レス) @page10 id: d12e45b1fd (このIDを非表示/違反報告)
りんご飴(プロフ) - 星月ぱろあ@ろあ民🐈‍⬛さん» ありがとうございます!そこそこの長さなのに凄いです……!これからも頑張ります! (1月2日 0時) (レス) id: 2b38128ef8 (このIDを非表示/違反報告)
星月ぱろあ@ろあ民🐈⬛ - 一気見しました。更新頑張ってください。 (12月31日 21時) (レス) @page5 id: f169115c31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんご飴 | 作成日時:2023年12月24日 21時