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137【ちゃぶ台が倒れる勢いだった】 ページ9

頬を撫でる冷たい風にゆっくりと意識が浮上する。
目の前にまず入ってきたのは星が何個か輝く暗い空だった。

「……」

頭がぼんやりとしている。
……何か、やけに懐かしい夢か何かを見ていたような。
少し身をよじれば冷たい地面の感触が伝わってきて、あれからそこそこの時間ずっとここにいた事が分かる。

……というか。

「だる……」

身体全体が鉛のように重い。
何もしたくない、という感覚が頭を支配する。何ならここにずっと寝てても良いんだけど。

そもそも私何でこんな所に倒れてたんだっけ?てか寝てた?

今日の出来事は大体覚えている。中島の施設の院長が死んだんだったか。
それですごーくムカついたというか嫉妬したというか荒れたというか。
まあいつもの私でなかった事は確か。

(……でも、今は何も感じない)

あれだけ嫌だったのに、あれだけ嘆いていたというのに、今は全くと言っていい程それが無い。代わりにめちゃくちゃだるいしめんどくさいけど。


「……あ〜…………」

寝起きのような呻き声を上げながら何とか体を起こす。
あー駄目だ。体起こせばもっとだるい。これ立ち上がればとんでもないんじゃないの?


それでもあのまま外で寝ているのはものすごく嫌だったのでまあ意地というか何というかでめちゃくちゃ頑張って帰った。もう後半は文字通り這って帰ったけど。




ゆさゆさと私の布団を誰かが揺さぶる。
無視したかったけど、何回も揺さぶられるので流石に嫌になった。

「…………何」
「Aちゃん、大丈夫かい?昨日から何も食べずにずっと寝ているようだけど」

薄っすらと目を開ければ、心配そうにこちらを覗き込む太宰の姿が見えた。
部屋には自然光が差し込んでいて朝だということが分かる。
……何か、口を開く事さえめんどくさい。

「……大丈夫だから寝かせて」
「矢張り体調が戻って無い様だね」
「…………その件とこれは関係無い。どちらにしろ今日はサボる」
「……分かった。国木田君には適当に伝えておくよ」

行って来るね、と珍しく声を掛けて太宰は出勤(多分その前に川かどっか行く)していった。
扉が閉まる音を聞いて、再び瞼を閉じる。

一応国木田にも連絡しなきゃなと事務的に思って寝転がったままちゃぶ台に手を伸ばしたら、手が思いっきりちゃぶ台に当たったのでもう止めた。

138【授業中爆睡スタイル】→←???【縺ッ縺ッ縺ョ縺舌≧縺槭≧】



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アラモード(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (3月15日 19時) (レス) @page13 id: f9e6be770b (このIDを非表示/違反報告)
りんご飴(プロフ) - うたねのどあさん» わ〜いつもありがとうございます〜!!私も書いていて本当に楽しいです!わりとこの後手探りなので頑張りますね……! (1月18日 23時) (レス) @page10 id: 2b38128ef8 (このIDを非表示/違反報告)
うたねのどあ(プロフ) - 夢主ちゃんがメイン…!!お話の物語、展開とか本当に好きすぎます!!この先本当に楽しみです!!更新楽しみにお待ちしております!! (1月17日 23時) (レス) @page10 id: d12e45b1fd (このIDを非表示/違反報告)
りんご飴(プロフ) - 星月ぱろあ@ろあ民🐈‍⬛さん» ありがとうございます!そこそこの長さなのに凄いです……!これからも頑張ります! (1月2日 0時) (レス) id: 2b38128ef8 (このIDを非表示/違反報告)
星月ぱろあ@ろあ民🐈‍⬛ - 一気見しました。更新頑張ってください。 (12月31日 21時) (レス) @page5 id: f169115c31 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんご飴 | 作成日時:2023年12月24日 21時

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